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    凪子 nagiko_fsm

    戦国無双の左近と三成、無双OROCHIの伏犠が好きな片隅の物書き。
    さこみつ、みつさこ、ふっさこ でゆるっと書いてます。
    ある程度溜まったらピクシブにまとめます(過去作もこちら https://www.pixiv.net/users/2704531/novels

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    凪子 nagiko_fsm

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    ふっさこ現パロ バーテンダーの伏犠と客の左近。ふっさこだけどキスすらしてない。

    #無双OROCHI
    wushuangOrochi
    #現パロ
    parodyingTheReality
    #伏犠
    sacrifice
    #島左近
    shimmeringOfHotAir
    #ふっさこ
    aNumberOfDaysAgo

    ふっさこ現パロ あの日のカクテルグラス 深夜も喧騒に包まれる繁華街から一本路地を入ると、けばけばしいネオンとは無縁の落ち着いた雰囲気に包まれる。
     明るい雰囲気のイアリアンバルと、いささか高級な雰囲気をもった和風居酒屋に挟まれた場所にそのオーセンティックバーはあった。
     揃えているアルコールの種類の多さに定評がある店は、マスターの伏犠が一人で営んでいる。席はカウンター十席のみで、一人静かに酒を傾けたい大人向けの店だった。
     夜七時。今夜も店の入り口の看板がライトアップされて開店を告げる。早速仕事帰りのサラリーマンが来店し、四席が埋まった。
     この店のフードメニューには簡単なつまみ程度しかない。そのかわり、両隣の店からデリバリーが取れるようになっていた。今日の客も、まずはデリバリーを取って軽い夕飯代わりにしている。伏犠はそれを見ても嫌な顔一つしない。客と楽しく会話をしながらロック用のアイスを削ったり、グラスを磨いていたりする。客の頼みで食前酒や食事とのペアリングを考えて酒を用意することもよくあった。
     客の夕食が終わったらようやく本格的に伏犠の仕事が始まる。日本酒から洋酒、カクテルまで、客のオーダーに合わせて手際よく用意していく。
     仕立てのいいオフホワイトのワイシャツに黒のカマーベストとネクタイ、ロングエプロンという正統派バーテンダースタイルの伏犠がシェイカーを振る姿が好きだというファンもいるくらい、その所作は洗練されていた。

     夜十時。L字型に配置されたカウンター席は全て埋まり、静かなジャズが流れる店内はさざ波のような心地よい話し声に包まれている。
     カランと入り口のドアにつけられていたベルが軽やかに鳴り、また一人客が顔を覗かせる。たいていは満席なのを見ると残念そうに帰っていくのだが、その客はカウンターの中の伏犠と僅かに目線を合わせただけで、無言で壁際の大きなソファに腰を下ろした。ソファの前には小さなテーブルが一つ。その席は、この客の専用の場所だった。 「左近、来るなら前もって連絡してくれればいいのに」
     伏犠は、黒ビールのグラスとオイル漬けのチーズとオリーブを盛り合わせた小鉢をトレーに乗せてソファの前のテーブルに持っていく。
    「急に時間ができたんですよ」
     長い黒髪をハーフアップにし、シルバーフレームのメガネが知的な印象を与える左近と呼ばれた男は、眺めていたスマートフォンのカバーを閉じて目を上げた。
    「夕食は?」
    「まだです」
     伏犠は「ラストオーダーギリギリじゃよ」と笑いながら左近に両隣の店のデリバリーメニューを差し出す。左近はそのメニューを断って言った。
    「伏犠さんにお任せしますよ。昼も食いっぱぐれてるから、重めのがいいな」
     伏犠は仕方ないなと言いながらカウンターに戻り、タブレットを操作してイタリアンバルにオーダーを送ると、本来は午前一時閉店のはずの店のドアにクローズのプレートを出した。
     左近が黒ビールを飲みながら伏犠の姿を眺めつつ待っていれば、十五分ほどで、熱々のイタリアンハンバーグとシーザーサラダが届けられた。タイミングを見図ったように、焼きたてのガーリックトーストと赤ワインの入ったグラスがテーブルに置かれる。
    「今日のワインは?」
    「キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ。トマトソースによく合うんじゃよ」
     左近は早速ワインに口をつけ、満足そうに微笑む。それを見届けてから伏犠はカウンターの中に戻って他の客のオーダーを捌き始めた。

     それから約一時間後。
     客は全て帰り、店内に残っているのはソファに座ってウィスキーのグラスを傾けている左近と伏犠の二人だけ。
     伏犠がカウンターを軽く片付けていると、左近が空になったグラスを持ってソファからカウンター席に移動してきた。
    「ん? いかがした?」
    「折角だから、最愛の恋人の仕事姿を近くで見たいなと思って。何か作ってくださいよ」
     左近はカウンターに頬杖をついてゆるく微笑んだ。
    「嬉しいことを言ってくれる。今の気分は?」
    「そうですね……、思い切り熱くて甘い夜を過ごしたい気分、かな」
     左近が色気のある低い声で囁くように言うと、暗めの照明でも分かるくらいに伏犠の顔が赤く染まる。
    「お主、それは反則じゃ」
     伏犠は背後の酒棚から手早く必要なボトルを取り出す。カクテルグラスの縁に砂糖を付けてスノースタイルにしてから、ウォッカ、スロー・ジン、ドライ・ベルモットをそれぞれ同量シェーカーに注ぎ、最後にレモンジュースを加えて軽くステアしてから氷を入れ、氷がぶつかる音を響かせながらよくシェークしてグラスに注ぐ。赤い色の液体で満たされたカクテルグラスを、伏犠は芝居じみた仕草でカウンターに置いた。
    「キッス・オブ・ファイアでございます」
    「ありがとうございます。やっぱりシェーカー振ってる伏犠さんは見惚れるぐらいかっこいいですよ」
     左近は静かにカクテルグラスに口を付けた。
     強いアルコールと甘みが今の気分にぴったりだ。
    「すいませんね、いつも営業の邪魔しちゃって」
     大分早く閉店することになった静かな店内を見渡して左近が言うと、伏犠はネクタイを緩めて首元を開けながらふっと笑う。
    「まったくじゃよ。お主が来ると気になって仕事にならんわ」
    「そんなこと言って、一週間来ないとそれはそれで落ち着かないくせに」
     伏犠はスモークしたチーズと生チョコレートをカウンターに出し、自分用にタンブラーにジントニックを作る。
     左近が飲みかけのカクテルグラスを掲げると、伏犠もタンブラーを持って視線を合わせ、グラス同士は当てずに乾杯をした。
    「当たり前じゃ。お主と一週間も会えぬなど、わしの心が干上がってしまうわ」
     左近が来た日は、こうして閉店後に二人で店の中で夜を明かすのが常だ。
     しかし、今日は何かが違った。いつもなら左近はずっとソファにいて、片付けを終えた伏犠もそこでゆっくりと寄り添いながらグラスを傾けるのに。
    「今日はちょっと、話したいことがあって」
     中身が半分ほどになったグラスを弄びながら左近が呟いた。
    「改まって何を……。深刻な話、かのう?」
    「ええ、まあ。実は四月から異動が決まったんですよ。一応、栄転なんですけど」
    「そうか……。祝ってやらねばならぬのだろうが、遠いのか?」
    「ええ。それが海外でしてね。たぶん、年に二回くらいしか帰って来られないと思うんですよ」
     二人の間に沈黙が落ちた。
     何も言えないのは、言葉を間違うと取り返しがつかないことになる予感があるからだ。
     伏犠は思い切ったようにタンブラーの中のジントニックを一気に呷った。
    「これは、別れ話、か?」
    「……だったらはっきりそう言いますよ」
     左近はグラスの赤い液体をぼんやりと見つめて言った。
    「ねえ、伏犠さんのとこに永久就職ってできませんかね?」
     伏犠は意味を図りあぐねて首を傾げ、すぐに顔を歪めた。
    「今の仕事を辞めてか?」
    「そう、なりますかね」
     左近の返事を聞いて、伏犠はゆるく首を振った。
    「……ダメじゃよ」
     左近はグラスの中身を飲み干すと、伏犠におかわりをオーダーする。
    「もう一杯いただけます? 失恋を慰めてくれるような一杯をね」
     伏犠は何も言わずに背後の酒棚からボトルを出す。
    「今まで告白されたことは数え切れないほどあるんですけどね、自分からしたのは初めてなんですよ。本気で恋した相手に初めての告白で失恋なんて、今まで散々遊んできた報いですかね」
     伏犠はそれには答えずに、シェーカーに酒を注いでシェイクする。ビーフィータージンにライムジュースと砂糖。
    「ギムレットでございます」
     カクテル言葉は「遠い人を想う」「長いお別れ」。まさに、失恋にはピッタリの一杯といえた。
    「今の仕事を惰性でやっているのならばそれもよかろう。じゃが、お主はいつも仕事は好きだと言っていたではないか。自分の能力が存分に発揮できると」
     左近はグラスを手に取る。ライムジュースが少なめなのか、思った以上にアルコールがきつい。
    「俺は仕事よりあんたを取るって言ったつもりなんですがね」
    「仕事より恋とは、お主らしくもない」
     グラスの中身が少しずつ減っていく。
     どうやら、一緒にいられる術は無いらしい。
    「ごちそうさまでした。それじゃ」
     空になったグラスとカクテルの代金をカウンターに置くと、左近は席を立った。
    「気をつけてな」
     
     それから、半年経っても左近がこのバーを訪れることはなかった。




     あの日から三年近い月日が流れた。
     伏犠のバーには相変わらず静かな時間を求めてひっきりなしに客がやってくる。。
     変わったことといえば、大きなソファが無くなってそこに二人がけのテーブルが二つ置かれたこと、そしておっとりした女性の店員が一人増えたことぐらいだ。
    「今日は花見帰りの客が多かったのう」
    「はい。花の季節は気持ちが浮き立ちますからね」
     十二時をまわり、ラストオーダーの時刻まではまだ三十分はあるもののさすがにもう新しい客は来ないだろうと、伏犠は早めに店を閉めることにした。
     入り口のドアを開け、オープンのプレートを裏返してクローズにする。これでよしとドアを開けて中に入ろうとした伏犠の背に、不意に声がかけられた。
    「今日はもう終わりですか?」
     伏犠が振り返ると、別れた時と少しも変わらない佇まいで左近がそこにいた。
    「いや、まだ大丈夫じゃよ」
     伏犠がドアを開け、後ろから左近も続く。
    「あら、お客様ですか?」
    「かぐやはもう上がってよいぞ。後はわしがやっておくからのう」
    「では、そうさせていただきます。おつかれさまでした、おやすみなさいませ」
     かぐやはエプロンを取りながらバックヤードに消えていった。
     伏犠は左近をカウンターに座らせると、酒棚からボトルを取る。
     ブランデーとオレンジキュラソー、オレンジジュースを同量シェーカーに入れてシェイクし、出来上がったものを二つのカクテルグラスに均等に注いだ。
     作ったカクテルはオリンピック。カクテル言葉は「待ち焦がれた再会」。カクテルに籠められた意味を左近は知らないが、そんなことはどうでもよいことだ。以前と同じように伏犠が迎え入れてくれた。それだけで十分なのだから。
    「おかえり、でいいのかのう?」
    「ええ。海外赴任はもう終わりましたよ」
     お互いにグラスを掲げあって乾杯すると、二人は同時にグラスを傾けた。
    「また、通ってもいいですか?」
    「もうお主の専用席はないが、それでもよければ」
     左近はいつも自分がいた店の隅を見た。
    「ならば、またあのソファを置いてもらえるように誠意を尽くしてあんたを口説くだけです」
    「お手並み拝見といこうか」
    「ええ。今度こそあんたのところに永久就職させてもらいますから。今の仕事も副業として続けながらね」
     自信に満ちた笑顔を見せる左近に、伏犠は微苦笑で応える。
    「さて、もう一杯作ろうか」
     ホワイトラムにホワイトキュラソー、そしてレモンジュース。これ以上ない最高のカクテルと言われるXYZ。そのカクテルの意味を左近が知るのは、翌日のことである。

     XYZのカクテル言葉、それは「永遠に貴方のもの」。
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    凪子 nagiko_fsm

    MAIKING【エグシャリ】
    ラブラブ遠距離恋愛してるエグシャリを書きたかっただけなのに、その前段の話が終わらない件3本目。ようやくくっついたので、次からはただ砂糖吐かせる方向にしたい。
    くっついてもやっぱりキス止まり。
    1本目 https://poipiku.com/4425960/11388818.html
    2本目 https://poipiku.com/4425960/11394420.html
     あれから1年。
     中尉に昇進したエグザベは、サイド3駐留艦隊の新型艦エンドラでモビルスーツ小隊を率いる立場になっていた。若干25才の若さではあるが、ソーラ・レイ攻防戦での実戦経験を買われてのものである。
     駐留艦隊とはいえ付近の哨戒が主な任務であり、ズム・シティの官舎に帰るのは月に1度か多くても2度程度だった。
     そんな多くもない非番の日に、戦友でもあるコモリ・ハーコート中尉から呼び出しがあった。彼女はあのあと情報局に転属となっていたので、それほどマメに連絡を取り合っているわけではない。そもそもエグザベが所属する宇宙攻撃軍と情報局はあまりいい関係ではない。
     待ち合わせはエグザベもたまに寄るカフェ。こういう場所を選ぶのだから大した話ではないのだろうと軽い気持ちでやってきたエグザベを、先に到着していたコモリが迎える。
    11419

    凪子 nagiko_fsm

    MAIKING【エグシャリ】
    昨日の続き🟥←🟩前提のエグシャリだけどやっぱりキスまでしかしてないしなんなら付き合ってすらいないし薄暗い。まだ続く……
     ソドンを含めソーラ・レイ破壊任務に当たった艦隊は満身創痍で、その後の反乱軍掃討は後続の艦隊に任せることになった。とはいえ、切り札のソーラ・レイを失った反乱軍の士気は目に見えて落ち、雪崩を打ったように敗走する烏合の衆は規律の取れた正規軍の敵ではなかった。首謀者は捕縛され、程なくして一年戦争後で最悪の反乱は鎮圧されたのだった。


     ボロボロの機体をソドンに回収されてすぐにシャリアとエグザベは医務室送りになった。戦闘の疲労はありつつもそれ以外は特に問題がないエグザベと違って、シャリアの方は明らかに顔が青ざめている。サイコミュの負荷が異常だった証だ。
     体のスキャンと簡単な脳波検査をされ、特に異常なしと診断されたエグザベはあとは自室で休息するようにと医務室から出されたのだが、シャリアの方はそうはいかなかったようだ。不思議そうに首を傾げている医官に「中佐、どうかしたんですか?」と聞けば、ただの部下に簡単に言えることではないのか「ああ、まあ……本国に戻ってから軍病院で精密検査だな」と返された。
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    凪子 nagiko_fsm

    MAIKING【エグシャリ】
    シャア←シャリ前提のエグシャリ。キスまでしかしてないよ。
    最終決戦捏造。中佐が大佐と再会したうえでケリつけて少尉とくっつくまで。
    中佐にかっこよく戦ってもらいたかっただけかもしれない……
    続きます。全部書けたらピクシブに出すかな。
     ソーラ・レイ。それは一年戦争で使用された史上最悪の兵器。サイド3のコロニー一つをそのまま巨大なレーザー砲にするという狂気の兵器は、一年戦争終結後もサイド3中域に封印という形で漂っていた。
     ――戦後処理に合わせて解体してしまえばよかったものを。
     そうできなかったのは、ジオン公国がまだ地球連邦政府を脅威に感じていたからに他ならない。万が一また戦争になるようなことがあれば、再び使用することを前提にそこに留めおいたのだ。その脅威が自分たちに向けられる可能性に目をつぶったまま。
     
     反乱軍にソーラ・レイが奪取されたという報は、すぐに本国の統帥本部経由でグラナダにも伝わっていた。
     反乱軍は、ザビ家に不満を持つ一部の高官が、戦争が終わって職にあぶれた旧ジオン軍人を束ねたものだった。それを焚き付けて武器供与をしたのは連邦軍だ。ソーラ・レイでサイド3のジオン公国首都ズムシティを焼き払うと言ってのけた反乱軍相手に交渉の余地はなかった。
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    凪子 nagiko_fsm

    MAIKING【ふっさこ】珍しく真面目でシリアス寄りな伏犠→←左近。
    おぼろげな記憶とイメージで書いたら時間軸はOROCHI2だけど、古志城ステージは無印という代物に。実際はこんな場面無いです。この後エロ付けてpixivに出す予定。
    【ふっさこ】別れは直ぐ側に 思った以上に戦況が悪い。
     黒く不気味にそびえる古志城を見上げながら、左近は無意識に顔を歪め舌打ちしていた。
    「どうしたんじゃ? お主らしくもなく苛立っておるのう」
     左近の隣で、伏犠がいつものように余裕のある口調で言う。だが、その表情はいつになく硬かった。

     左近と伏犠の二人は、呉軍を主とする一軍を率いて古志城東側の攻略に当たっていた。
     広大な戦場は見通しも悪く、西、南、北門にそれぞれ布陣している友軍の状況は目視できない。しかし、時折やってくる伝令の報を総合すれば、どこも似たりよったりの苦戦ぶりのようだった。
     特に東側には敵の戦力が一際厚く配置されていたようで、最初に斥候を放ってから、左近は攻めあぐねていた。力技で押し切るには予想される犠牲が大きすぎる。かといって、いつまでも手をこまねいているわけにもいかない。策を巡らせて散発的に仕掛けてみるものの、あまり大きな戦果は得られなかった。それもそうだろう。軍略を巡らせ戦術を駆使しても、大きすぎる戦力差はそれだけでは埋まらない。
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