ランチパック 「おっ、あれ俺の大好物、ランチパックのピーナッツじゃないか、買っといてくれたのか?さっすが俺の奥さんは分かってるなぁ」
日曜日の夕方、畜産組合の集まりから帰ってきた小次郎さんが、わたしに口づけながらダイニングテーブルを指差す。
テーブルの一角に置かれたパンのかごの中には小次郎さんの好きなランチパック。
「今日はね、いつもの定番ピーナッツだけじゃなく、深煎りピーナッツってのもあったから買ってきてみたよ。」
俺、これが一番好きなんだよなぁ、そう言って笑ったから、わたしの中のランチパックの定番はピーナッツになった。それまではタマゴが一番好きだったけど。
「夕飯前だけどさ、一緒に食べ比べてみよーぜ」
「えー、ご飯食べられなくなっちゃうよ、今日は小次郎さんのリクエストのハンバーグだよ」
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