6.B-(side:H) 担任であるベレト親子がよく逗留していたというルミール村で異変が起きた。疫病か呪いか分からないため調査に当たっているマヌエラが席を外していることが多いのに少し寒くなってきたせいかリシテアが体調を崩すことが多く困っている。
「病気や体質によっては治癒魔法を使わない方が良い場合があって私にはまだそこの判断が……」
「マリアンヌさんは功を焦らず線引きがきちんと出来ていることを評価した方がいい」
伏せっているリシテアの部屋から申し訳なさそうな顔をして出てきたマリアンヌをローレンツが庇った。彼女の心に届きやすいよう彼の好きな気障な言葉遣いを控えている。
「ローレンツなんでお前がここにいるんだ?」
「君が煎じたおかしな薬を自己判断でリシテアさんに飲ませようとしたら止めるためだ!」
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