ハロー、グッバイ初めての、恋をした。そう、はじめての、こい。
あれはそう、高校時代の事。初めての恋だった。
しかも相手は同性。さすがに伝える勇気もなく、ただそばにいればよかった。
でも、ずっとそばにいることなんて出来ない。
俺はビーチバレーに挑戦することにしたから。
高1の春高を機に俺は変わった。
このままじゃいけないって。
色々な大人の人たちに助けられ、卒業後の1年を準備期間を経て、ブラジルへ行くことにした。
だから、俺はあいつの元から離れることに、なる。
そして。出発の日だ。
いまなら、いえるかな。
そう思ったけど、そいつは見送りにくることはなく。その思いはずっと胸のうちにしまわれることになってしまった。
そっと胸に手を置き、その気持ちにごめんな、と謝る。
昇華できないまま、この胸のうちにしまって燻るだけのこの思い。
でもきっと、時が、忘れさせてくれる。
きっといつか、こんな恋をしたとわらって、酒の肴にできる時がくる。
そう思っていたのに。燻ったおもいはずっと燻ったまま、で。
ふとした瞬間、思い出してしまう。
ビーチは楽しいし、勉強になる。そう、毎日が学びなのだ。でも、そう、部屋に1人になって眠る時とか、思い出してしまうのだ。
あのかおを、こえを、においを。
思い出してしまうのだ。
「あぁ…おれ、ほんとうに、すき…なんだなぁ。まだまだ、すきなんだなぁ…」
忘れようと思えばおもうほど、好きになる。どんどんおもいが溢れてくる。
こんなことなら、きちんと振られてくればよかった。
気持ち悪いとか不愉快だとかいわれて、うるせえ、俺もお前なんかしらねえ!とか喧嘩別れでもすれば、よかったのに。
恋をしていたという、綺麗な思い出はどんどん、どんどんと、おもいを溢れさせていった。
バイトにビーチにあけくれた、充実した2年。
でも恋の思いを燻り続けた、2年。
それが過ぎ去っていく。
俺は日本にかえってきた。
……新しい地へいくため。
そして、今度こそこの燻った気持ちを消すために、俺はあいつに、気持ちをつたえる。
ずっと前から、すきだったってことを、月島に。
あの日目があったときおもったんだ。
おまえのことすきになるんだって。
どうしてかなんて理由はわかんないけど。
それでも、好きになってしまった。
ハロー、グッバイ、俺の初恋