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    aco

    @uso80024365

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    aco

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    モブ視点鳥束の中学時代捏造話。重.松.清さんみたいな青春小説にいる鳥束零太が読みたいという一心。

    たまらないむごさであなたはまっすぐだ喪服みたいに制服を着る子だった。

    うちの中学校の制服は、女子は紺のセーラー服、男子は真っ黒な学ラン。その辺の男子が着たところで、着せられてる感じ……子どもを無理矢理大人にしたみたいな、ヘンな感じがする。でも、その子だけが違った。紫色の髪に、真っ黒な学ランがひどいコントラストで、びっくりするくらい整った顔はこんな田舎の雰囲気に全然馴染まない。はっきり言って、浮いていた。
    あたしがその子のことを知ったのは、入学式の次の日だった。

    公立の小学校からすぐ隣の中学校に進学したとき、クラスメイトが一気に増えた。近隣の小学校の人はみんなこの公立中学校に集まる形になるからだ。その近隣というのには山向こうの小さな小学校も含まれていて、その小学校からやってきた人数は十数人ほどだった。その中にいたのが、鳥束零太くん、という男の子だ。
    入学式の日、一年二組に集められた生徒たちが順にあいさつをしていくなか、真ん中あたりで彼の順番が回ってきた。「とりつかれいたです。寺生まれです。よろしくお願いします。」と簡単に自己紹介をして頭を下げた彼を、誰もが物珍しそうに見つめた。名前は「鳥束零太」と書くらしい。珍しい苗字に、きりりとした音の名前は、際立つように教室に響いた。田舎じゃラ行のついた名前はまだ物珍しくて新しくて、それに見合うほど、鳥束くんの容姿は整っていた。後から聞いた話だったのだが、ここ一帯では「鳥束」という名前は有名らしい。山向こうの小学校の、もうひとつ向こうの山にある古いお寺が、鳥束くんの家だった。
    鳥束くんは幽霊が視える、というのは、山向こうの小学校の子たちからしてみれば普通のことらしかった。
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    aco

    PROGRESS野……子脚本でエンディングに米……師が流れる未来捏造斉鳥バディものの進捗を晒します。
    ちょっと前に喋ってた未来捏造設定です。
    斉木楠雄(26):都市災害情報システムセンター(UDISC)職員
    鳥束零太(26):出張僧侶兼霊能探偵
    タイトル未定 File.1コンクリートの隙間に、煤と湿気がまだ残っていた。
    三日前に鎮火したはずのビル火災現場。その非常階段の下で、斉木楠雄は片膝をついてコンクリートの亀裂を指先でなぞった。

    都市災害情報システムセンター――通称UDISC(ユーディスク)。
    都心で起こる地震、火災、洪水……ありとあらゆる都市型災害を「起きる前に想定し、起きてしまった後も被害を拡大させない」ための解析と提言を担う組織だ。斉木はそこの解析部第三課に属する。災害データの計算とモデル構築、それが大学を卒業した後斉木の選んだ“仕事”だった。
    火災を消すのは消防、犯人を捕まえるのは警察――だが、行政に避難指示を促すタイミングを決めるのは誰か。崩落危険区域をどの範囲まで封鎖すべきか判断するのは誰か。解析官の一つの数値で、都市の数万人の安全計画が変わる。そういう仕事だ。就職して四年が経ち、先日役職もついた。形ばかりといえば形ばかり、"上級"解析官という。やることは結局変わらない。日々災害の予測を立て、リスクのありそうな場所のデータを取ってくる。それなりにあくせく働いているのだ。そして、起きてしまった災害を分析するのもまた、仕事の一つだった。今日は、三日前のビル火災現場を、消防と検証しに来た。
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