「今度の連休に動物園、行こうぜ」
「いやです」
ほぼ反射で拒否を伝えた、なぜ男二人でファミリーでいっぱいの動物園などに行かなくてはならないのか理解に苦しんだ。
「だってその日にオフなの俺っちとメルメルだけなんだもん」
「なんだもんってなんですか、行ったら何か俺にメリットはあるのですか」
呆れて何も言いたくないがそんなわけにもいかず問うと、
「俺っちを一日独り占め☆」
今度こそ言葉を失いました。
でも、めったに取れないパンダ舎の観覧券に惹かれて行ってあげることにしたのです。
その日は朝から天城が落ち着かず、待ち合わせの共有スペースに1時間前に来たとのこと。
「天城、はしゃぎすぎなのです」
「だってお前とデートなんて楽しみにきまってるだろ」
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