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    shiki_poi

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    shiki_poi

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    お酒を飲まない人による、お酒を飲みすぎたバディの話。『shikitbは1分以内に1RTされたら、お題「酒盛り」でさくっとコテバニ話を作りましょう。』という診断メーカーより。

    #TIGER&BUNNY
    #虎兎
    tigerRabbit

    [虎兎]口を軽くする薬 明日は珍しく、午後からトレーニングに顔出せばいい――もちろん出動さえなけりゃ――ってスケジュール。
     そんなわけで、実家から送られてきた日本酒を俺が持ち込んで、バニーもやたら高そうなもらい物のとっておきを出してきたから、止めるやつのいない酒盛りが開催されたわけだ。
     綺麗な夜景を見ながら、心許せる相手と美味い酒を飲む……いいことだよな? ただし、それは適度な量って条件付きなのは誰だってわかる話だよなぁ……。
     途中から杯を重ねすぎて、すっかり目が据わっている自覚はあったよ。俺もバニーもさ。これでおしまいにしよう、って言ってたんだ。ちょっとしたきっかけで、いつの間にやら先日のインタビューで俺が引っかかっていた『バニーの初恋』に話題が及ぶまではさ。

    「だ、か、ら! 僕の初恋なんてどうでもいいじゃないですか」
    「いーや、相棒の俺がインタビュー程度と同じくらいしか知らないなんて許されないぜ!」
    「あんなの……嘘に決まってるでしょ!」
     ほら、すっかり出来上がってたんだ、いつにも増して簡単に怒鳴りあいになっちまうし。どうでもいいような、くだらない……そうだ、酒盛りのついでのくだらない話のはずだったのに。何で俺は、しつこくツッコミ続けたんだろう……。
    「嘘ォ? お前市民に嘘ついたのかァ!? ダメだろヒーローなんだから!」
     自分でもどうかと思うけど過剰にヒーローぶった途端、最後の一滴までグラスに振り落とした一升瓶を床にドンと叩きつけたバニーが、頭をフラフラ揺らしながら途切れ途切れに言った。
    「ほんとのことなんて、いえるわけ、ないでしょ!」
     目線だけは俺を睨み付けて、バニーはずるずると一升瓶を支えに……もちろん実際は支えになんてならないから、一緒に横倒しになっていく。
    「……おれにも?」
     なんだよ、一体どんな恋だったんだよ。――それとも今も恋してるから言えないのか? なぁ、誰に?
    「いえるわけないでしょ、あなたが、はつこいだなんて……」
     潤んだ瞳は酒精のせいなのか、それとも別の理由なのか。バニーはそのまま瞳を閉じて、崩れるように床で寝息を立て始めた。

     酔いにまかせてぶちまけることも、都合よく記憶をすっ飛ばすことも出来なかった俺は、頭を抱えて朝が来るのを待つしかない。くっそ、お前、朝になって覚えてなかったらどうしてやろうか!
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    shiki_poi

    DONEたまには片思いを。虎徹←バニーです。最終回後かなぁ。急に暗渠って言いたくなった。ブラタ○リ見たくなった。どちらでもありそうですが、虎兎の心意気で……。
    [虎兎]暗渠の恋 本日最後の仕事は二人別々の場所で、となっていた。僕がゴールドで虎徹さんはシルバー。だが層は違うものの、先日訪れて気に入ったブロンズのバーの近くだったことに気付いて、今晩は夕食を摂りがてら飲もうということになった。

     まだ雪もちらつく季節だし、店の中で待ち合わせても良かったのだが、場所がうろ覚えだなどと言い出した彼を待ち、連れ立って行くことにした。
     ブロンズへ降りて賑やかな通りから一本入り、待ち合わせに指定したショウウィンドウの隣に立って中を覗いたりしながらしばし待つ。ゴールドに比べると明かりも何となく少なくて、僕がほとんど普段のままの姿で立っていても目立たないみたいで嬉しい。
     ふと顔をあげると、隣のビルとの間に橋が見えた。薄暗い街灯に照らされたそれは、大きくもないが明らかに欄干で、こんなところに川があったろうかと脳内の地図をひっくり返していると、その橋の向こうに「おおい」と手を挙げながら待ち人がやって来るのが見えた。
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    shiki_poi

    DONEバニーの誕生日おめでとう話です。遅れてきたおめでとう…。やっぱりバニーをでろでろに甘やかしたいだけの人ですね!
    もうまとまらないから思い切って投げました。誕生日だとかどうとか関係ないよね!
    バニーからプレゼントのリクエストはずいぶん前にしてあって、二人の予定があったタイミングでのお買い物デート…というのを…入れそびれました…。
    [虎兎]あなたがくれたもの「これ、楓から」
     朝、いつもギリギリに出社してくる虎徹さんが、何故かアポロンメディア本社ビルの入口で僕を待っていて、可憐なピンクの封筒を差し出してきた。
    「楓ちゃんから?」
     何だろう……と思いながら受け取ると、それがわかったのか呆れたような声で答えが帰ってきた。
    「誕生日だろ」
     封筒から出てきたのは、楓ちゃんからのバースディカードだった。小さくちぎった紙で描かれたバースディケーキ。かわいらしい手書きの文字で、『HAPPY BIRTHDAY』と記されている。
    「忘れてました……」
     嬉しくて、自分でも頬が緩んでいるのがわかる。わざわざ虎徹さんに託してくれたんだ。
    「忘れんなよ、誕生日なんかさ」
    「別に蔑ろにしてたわけじゃないですよ。このところ忙しくて、今日だというのを失念していました」
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