話題の某映画を見てきての感想ジブリの最新作を見てきました。いつもつるむ人に「見に行ってみたいんだよね」と話したんだけど、二人は興味ないようで「ひとりで言って来なよ」と…。なんでひとりで行ってきました。
結論、ひとりで行って正解な作品だったな。
見終わった感想が本当に人それぞれで、何かを感じる人もいるだろうし、よく分からんで終わる人もいる。自分の受け止めたものを大事にしたいから、よっぽど「見たい!」って気持ちで一緒に行った人じゃないと気まずいまま終わりそうな印象です。
誰かの感想に「国語が好きな人、行間を想像できる人に向いてる」っていうのがあってまさにそれでした。主人公の眞人くんはあまり自分の気持ちを作品内で吐露しないんです。子供なのに。それも時代背景を考えれば自分のわがままとか、そういうのを言えない環境にあったから仕方ないし、もしかしたら性格もあるのかも。礼儀正しくて、でもそれ故に危うい子。そんなあまりに自分を出そうとしない子が唯一感情をあらわにするのが亡くなったお母さんに関する事だけ。最初は。
カテゴリー的にはアドベンチャーらしいんですけど、ジブリ的な不思議な世界を冒険する主人公。この世界のルールはなんなのか、とか考えたらきりがないし、そこに確かな設定を求めてはいけないなぁと。それは後で言及されるまで考察とか見るしかない。千と千尋の神隠しみたいな感じだなと思った。ただやっぱりあの「君たちはどう生きるか」っていうタイトルのとおりよく分からない世界観の中にも確かにテーマがあって、主人公が決断しないといけない部分もあるんですよ。それがこの主人公にとってのどう生きるかの分岐点だったのかな、と。この彼にとって辛い世界を生きていくのか。それとも自分の理想通りに作り上げていける世界を生きていくのか。ストーリーネタバレなしじゃ言いたい感想の半分も言えないんですけど、これは「おー」って驚くとか「楽しい!」って直結するような感じじゃなくて、「あぁ、あのシーンはそういう事だったのか」とか「あれってこういう事だったのか」って後になってじわじわくる映画です。現にいま感想書こうってなって地球儀を聴きながら今更映画を思い返してじわじわ来て涙があふれてきた。
こういったテーマとか何か問題を抱えている少年が冒険を通じて成長するっていう話は宮崎駿監督だけじゃなくて色んな物語で目にする展開なので、一概に拍手喝采する感じではないのですが、それでも映画見終わった後のエンドロールで流れる地球儀を聴きながら「この曲を最後まで聞いてのこの映画のストーリーなんだな」って感じました。
なんとなくこの曲は主人公の眞人くんの生まれる前(もしかしたら産まれた後)からお母さんと出会って、お母さんが亡くなって、この世界が生きづらいと思ったり色々とあったけど、自分の決断でその道を進むことにした。辛い事もあるけど全部受け入れて行こうっていう眞人くんの心情とリンクしてるのかなって勝手に思いました。
なんとなく、今の時代生きづらさから生を手放してしまう事が多くあって、それに向けたメッセージもあるかもしれないなって。といっても10年前から計画練ってたらしいので分かりませんが…
自伝的な部分も含んでいるとの事なので、そこが分かればきっともっと隠された部分が見えてくるのかもしれないなと思いました。絶対見に行った方が良いかと聞かれたら「気になるなら見に行けばいい」と答える。感動したっていう感想も違う気がしてなんとも言えないのですが、ただ私は「見て良かった」と答えたいです。