主任は誰かを説得したり対話で心を動かすシーンが多いけど、説得される側にとっての根拠や実感が伴ってはじめて説得が成功するところが好き
その代表的な例として、幾成にあく太くん、七基など「愛されたい」「寂しい」という気持ちを抱えた人に「あなたを愛する人はいる」と伝えるとき、真っ先に「自分はあなた(あるいは、あなたの生み出すもの)のことが好き、大切」と言うところが大好き
その時点で「一人はあなたを特別に思う人がいる」という根拠ができるんですよね 信じてもらうために本気と全力をかけているのがよくわかる 好きだ
相手の価値観に寄り添う、というのを徹底している姿勢も好き
あと、人の心に踏み込むことにすごく慎重なところも好き
Ch3の、來人の心を軽くしようと「愛」について話すけれど、どこか上滑りになってしまった……というシーンが印象的で
あの時の主任はまだ來人に詳しくないから無責任なことを言えなかったんですよね 軽率に踏み込めることじゃないから何も言えないし、何も言えないから踏み込める関係にもなれないという地獄のデッドロックが起こりかけてた
そこにあの事件が起きて、動揺して弟のため必死になっている來人を見て「來人さんは生行くんを心から愛しているんだ」ということが主任にとっても來人にとっても確固たる事実として証明されたから、今度はちゃんと踏み込んで伝えられた(と、解釈しています)
微妙に脱線しますけどあのシーンのやり取り大好き 優しさや思いやりを少しでも傾けるもの全てが愛、至言
話を戻して 基本的に責任を持てることしか言わないところが好きだなと思います
私の一番好きな主任 凪くんが「本当に知りたかったのは母に愛されていたかどうかだった」と語るのを聞いた上で「お母さんに愛されていたかどうかはわからないけど」と言える主任
凪くんが母の愛をどれだけ欲しているかを知って、それでも当事者でない自分が定かでない事実を語ることはできないと一線を引ける人 好きだ あまりにも……
秘密を打ち明けた練牙くんに自分の気持ちを伝えられず黙ってしまうシーンとか、夜班の朝食会で更なる不和を招いてしまったことを一人で悔やむシーンなんかも好きです
主任自身が繊細だからこそ、相手に優しく深く寄り添えるんだろうな
そんな主任が、自分をマスターと慕う幾成に対してストレートに「大好き」と言葉にしたりかなり距離近めに寄り添っているのも好き
感情について教える、という明確な役割があっても、対等な立場からそれを成そうとするところが主任らしいなと思う
かつて兄/妹とした砂遊びと握手をしたり、膝の上に乗るなり膝枕されるなりしてるっぽかったり、幾成に「感情に従ってほしい」と望むように主任自身も「感情に従って」接しているんだろうなと思います
相手に求めるなら自分も、というのを無意識にやっている人だなと思う 「人に感情を動かされることがなくなった」と話していた夜鷹さんに対して思いっきり感情動かして怒ったのもそう
あと視野が広いところも好き 自分の認識を改められるところも良い
素直になっていく練牙くんに感動して(短気で扱いにくくて……って思ってたあの頃の自分、何もわかってなかったな)と独白していたのがすごく印象に残っている
練牙くんが変わったことに感動するだけじゃなくて、(あの状態の練牙くんを理解できないのは仕方ない部分もあったのに)自分の方を理解不足だったと反省できる器の大きさが好き
超常的な力にすら自分なりに誠実な歩み寄り方ができる人、好きすぎる
エンゼル・アイのこと、糖衣くんの占いのこと、琉衣の仕事のこと、白光の家のこと、これら全部を受け止められるのすごいことだと思うんですよ
全部をすぐ信じられたわけじゃないのも好き
凪くんの不幸体質に対して「正直どこまで信じていいかわからない」という現実的な視点もあって、それでも(ふざけているわけじゃなさそう)と真剣に受け止めたところに人間性が出ている
にわかには信じ難い凪くんの不安に対して「大丈夫」「何か起きても自分たちがいる」じゃなくて「じゃあその花は私が受け取ってもいいかな?」と凪くんの不安に寄り添って返せるの、パーフェクトコミュニケーションすぎる
凪くんのこれまでの経験と気持ちを「そういうもの」と受け止めて、じゃあどう対処すべきか?と同じところで考えてくれる人 好きだ……