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    NagagutsuoNetsu

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    なんとなく寝れないな〜短いの書くか〜となって書いたP√soriel。さくっと読めます。完結済。

    #soriel

    トリエルのとくべつその日サンズはトリエル宅に昼食を食べにお邪魔していた。サンズは、向かいに座るフリスクの、ハンバーグプレートの付け合わせのにんじんが、細く柔らかくされていることに目敏く気がついた。オイラのは固くてごろりとしている、とひとりごちる。隣のパピルスもサンズと同じだ。パピルスと同じであることに少しほっとしつつもフリスクだけ何故?という小さな不満も湧いてくる。トリエルはあらかたキッチンの片付けを終えたようで、サンズとパピルスと同じ、ごろりとしたにんじんを添えたハンバーグプレートをフリスクの隣に置いた。ゆっくりと腰掛けると、さて!と皆で「いただきます」を言おうといった風に声を上げた。
    「ちょっと、いいか」
    サンズは静かに顔の横辺りまで、小さく手を上げる。パピルス、フリスク、そしてトリエルがキョトンとサンズに視線を注ぐ。サンズはんん、とわざとらしく咳払いをした。
    「フリスクのにんじんだけ細くて柔らかそうなのは何故だ?」
    サンズの一声を合図にパピルスとフリスクは互いのプレートを見て確かめ合った。本当だッと発見に瞳を煌めかせるパピルスと、本当だね!と驚きが素直に顔に表れるフリスクと、その反応は三者三様である。トリエルはというと、なんだそんなこと、とでも言いたげに小さく息を吐いた。
    「フリスクはにんじんが苦手なのよ。それで、少しでも食べやすいように細く切って、あまり噛む必要がないように柔らかくしてあるの」
    トリエルは、疑問は解決したかしら?と問うようにサンズに向かって首を傾げた。サンズは理解はしたが納得はしていない、そんな顔でオーケイ、なるほどな?と眼窩を閉じて軽く何度か頷いた。
    トリエルは気を取り直して、さて!と声を上げると今度はいつも通り、皆でいただきますを言い食事の時間が始まった。


    食後に、パピルスとフリスクは外で遊んでくると元気よく飛び出していった。トリエルは、お手製のアップルパイと紙パックの小さな牛乳を2人に持たせていた。
    サンズはトリエルの入れたホットミルクを飲みながら、ホットミルクにだけ聞こえるように、実はオイラもにんじんが苦手なんだぜ、と呟いてみた。
    「あら、そうだったの?」
    地獄耳トリエルに改名した方がいい、とサンズは本気で思った。しかし言うのは辞めておいた。トリエルには余計なことを言わないに限る、と地上に出てから何度も身をもって痛感している。サンズはうろうろと視線を彷徨わせ、あー、と声を伸ばした。
    「いや、苦手じゃない」
    「そうよね。前ににんじんのパウンドケーキを焼いたときとても美味しそうに食べてくれたものね」
    トリエルはそういい、くすくすと声を漏らした。長い睫毛が揺れている。やっぱりトリィはとてもかわいいな、とサンズは考える。笑顔が似合うなとも。本人には言わないが。
    「じゃあどうして苦手だなんて嘘、ミルクについたの?」
    自分で自分の首を絞めるとはこのことか、とサンズは冷や汗した。こんな子どもじみたことをトリエルへ話して、貴方ってやっぱりお子さまなのねと大笑いでもされたら恥ずかしさでどうにかなってしまう。迷いがちに視線をトリエルへと向けると、真っ直ぐこちらを見つめるトリエルとぱちりと目が合う。これでは嘘をついても見抜かれてしまうな、とサンズははあーと息を吐いた。トリエルが眉を顰める。サンズは違うんだと困ったように軽く笑って、左手で首の後ろを掻いた。
    「いいなって、思ったんだよ。フリスクがトリィにとくべつ扱いされててさ」
    オイラもトリィからのとくべつがほしいよ、とまではハッキリ言わなかったが、そう意味することを確かに今声に出したのだ。サンズはひとり気まずく感じ、ひらひらと視線を膝に置いた自身の右手へと移した。
    くすり。小さな笑みが降ってきた。花が咲くようなぬくもりがある。サンズは視線を右手からトリエルへと、のろのろと上げる。
    「サンズ、貴方にも私、とくべつ扱いしてるじゃないの。まさか気が付いてなかったの」
    にこにこと花を綻ばせるトリエルは口元に当てていた右手をすっと動かした。サンズの飲んでいるホットミルクのマグを手にとる。
    「私、サンズ以外にホットミルクいれたことないわよ。一度も」
    トリエルの緩い目元はまさしく愛情だった。サンズはトリエルから差し出されたマグを再び受け取ると、こくりとひとくち飲んだ。優しい甘さがトリエルそのものを象徴するようで、少しずつ飲み進める。確かに、パピルスとフリスクにはいつも紙パックの牛乳を持たせていた。家で飲むときも、それをコップに移すだけだった。けれどもサンズには温めてはちみつまで入れたミルクを用意してくれていたのだ。自身の幼稚な嫉妬と、自分のこととなると驚くほど狭い視野に羞恥と居た堪れなさでいっぱいになる。トリエルは、小さな少年のように、大事にミルクを口にするサンズを飽くことなく見つめていた。気まずそうにサンズは口を開く。
    「.....トリィ、ありがとうな」
    トリエルは答える代わりに、ふわりと微笑んでみせた。


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    soriel未満。恋愛要素は無いけど、2人がメインの話となります。
    ⚠️なんでも許せる人向け、誹謗中傷お断り
    フィクション
    医学知識無し。治療法を促すものではありません。
    サンズがどうしようもなくダサいセーターを着る理由 モンスターが地上に出てから数年が経った頃、ある街で不思議な噂があった。

    「この街に奇妙な格好をしたモンスタースケルトンがいる」と。

    「そのモンスターはいつも同じ格好をしていて、いつも同じ時間に現れる」と。

    何故、いつも同じ時間に現れるのか。また、奇妙な格好をしている理由は何なのか。

    そのモンスターに話しかけても軽く受け流されるだけ。理由を知るものはいなかった。


    ◆◆◆


    1人のモンスターがある場所へ赴く。
    すれ違う人間の女性達はモンスターを見て呟いた。
    「ねぇ、あのスケルトンが着てる服見て」
    「草。何あの服」
    そのモンスタースケルトンが向かう先は……。



    ◆◆◆



    半年前―

    「植物状態?」
    「睡眠や呼吸、意識など生命維持に必要な機能はし続けていますが、大脳が機能していない状態のことを言います。命に別状はありませんが、今までのように日常生活を送ることは困難でしょう」と医師は言う。
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