北へ復活、多分ないだろう、けど思わず
ただの願望です

＊＊＊

「泣いてる？」

ーやば、幻聴か、妄想か、

「泣いて悪いか」

もう居ない相手に、今更意地を張る必要もないか

「何で泣いてるの？」

泣いてる女に理由聞くな

性格悪

まあ、私の妄想なら仕方ない

「ったく、誰のせいだと」

「僕」

顔を上げた先で

青い目と視線が交わる

「何で？ほんとに？生きて？」

「僕が居なくなって、泣いてたんだ」

あり得ない

思わず男に手を伸ばした

切り離された身体は、確かに繋がっている

心臓も動いている

体温も感じる

頬をつねる

「こぉ〜ゆぅ時って、自分のほぉ〜を
　つねるんじゃないの？」

「うっせぇ馬鹿！クズ！心配かけやがって！」

つねっている頬も

その手に重ねられた手にも

熱を感じる

あぁ、ほんとに生きてるんだ

「女を泣かせるなんて、最低の男ね」

「GLGだからね、泣かせた女は数知れず」

「ほんとクズ」

違う、本当は謝りたかった

私にもっと力があれば、と

もっと力を引き伸ばすことが出来ていたら

もっと強ければ

弱くてごめん

結局アンタ独りに頼ってしまって

独りでいかせて、ごめん

「僕さ、向こうで傑達にあった」

「は？」

「走馬灯ってやつ？
　昔みたいに話せてさ、正直嬉しかった」

それで最期は笑っていたの？

悔いはなかったの？

「でさ、蹴飛ばされて戻って来た」

「向こうの世界でも嫌われてんのね」

「違いますー
　送り出されただけですー
　嫌われてないですー」　　

やれることはやったし、割と満足していた

負けたのは実力不足

あの日、親友と別れて

気づけなかった後悔を胸に

柄でもない教師になって

でも生徒が成長する姿を見るのは嬉しいものがあったな

教師も割と楽しかったし

まぁ、その生徒の前で負けちゃったけど

後は生きてる奴らに任せよ

生徒達に頑張ってもらお

僕はコイツらとのんびり南へ

そんな時、呼び出しアナウンスが聞こえてきた

なぜか迷子の五条悟29歳

傑達に笑われて、背中叩かれて、

ついでに蹴飛ばされて戻ってきた

どうやら身体があるうちに治して戻ってこれたようだ

「生きて残る側にも、悔いは残るよね」

戻ってこれたのはたまたまだし

まあ、いろいろしんどいけど

独りじゃないし

目の前の一つの後悔を止められて

戻ってこれて、良かったんだと思う

この世界にいなければ得られないものを

再確認する

「ただいま　歌姫」

いつものムカつく態度からは想像できない

涙を拭う指が意外と優しい

他の女にもこうするのかと思うと、少し腹がたった

けれど今は

帰ってきてくれたことの嬉しさが勝る

「おかえり　五条」

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もし戻ってこれたら、呪力で気づきそうな気もするけど
もういないと思い込んでるため、とか、めっちゃ微力とか、隠して近づいてるとか、みたいな

五条先生、他の女の人には多分しないし、むしろビンタされて別れるのではという気がする（わざとフラれて後腐れなく、みたいな）

歌姫先生に、無意識でもちょっと特別な五条先生がいたら良いなという願望
して、どうにかして復活してほしい

飛行機乗らずに、アナンンスで呼び出されて、戻って（涙）
今再び、二人の道は逆になるのかも（北と南）

今後の流れによって、消すか、再構築するか