もち米さんハピバ🎉 ゼル撫貴殿には花が似合う。
ゼルギウスはそう言うと、撫子の髪の毛を掬い触れるだけのキスをした。突然の言葉とキスに驚きを隠せなかった撫子は、手に持っていたアメリカフウロの花を指先で弄ぶ。
今日は撫子の誕生日も兼ねて、どこかに遠出しようということになったのだが、毎日のように体を酷使し、戦に身を呈しているゼルギウスに悪いような気がした撫子は「景色でも見てゆっくりしませんか?」と提案した。
ゼルギウスは撫子の意見に賛成し人気がない静かな野原に赴くと、そこは沢山の花が咲きこぼれ、色鮮やかな景色が一望出来るほどだった。1番景色の良い場所に座ると、撫子は足元に咲く花に手を伸ばし、花摘みをしながら他愛もない話をすると、突然ゼルギウスは「貴殿には花が似合う」と言ったのだった。
「それに、この花は貴殿によく似ている」
「?」
「撫子の髪色も、可憐な姿も」
「そ、そうでしょうか…」
「愛しいほとに」
目と目が会い、気付けば唇と唇が重なっていた。ゼルギウスと撫子の舌が何度も愛撫を繰り返し、溢れた唾液を逃すまいと、角度を変えて深いキスを繰り返す。
こんな可憐な花たちが見ているのに、恥ずかしい。そう思いながらもゼルギウスのキスに夢中になっている撫子自身、どこか嬉しくなっていた。このままこのアメリカフウロの花の上で犯されてもいい、と。
深いディープキスから啄むようなキスを繰り返すゼルギウスは、蕩けてしまった撫子を見て微笑むと「無理をさせてしまったな」と小さく呟いた。続きをして欲しい、とは言えずにいた撫子はゼルギウスの服の袖を緩く掴む。
「あの、…ゼルギウスさん、」
「どうした」
早く自分の気持ちを伝えなければ。
お願いだから、わたしの気持ちに気付いて。そう思う撫子だった。