Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    カニせんべい

    @himanatu_bungo

    超エキサイティング!!!パリピの三連休

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🐟 🍊 🗻 🐱
    POIPOI 405

    カニせんべい

    ☆quiet follow

    整いました!
    診断メーカーのお題
    https://shindanmaker.com/375517?s=09

    ##化け物に好かれた博士

    寄るな色男「うおおっ!?」

    ヒストーリエが目をパチクリさせながら、手を頭上に掲げて狼狽えている。
    その周りには無数の鹿──。

    彼は無謀にも、鹿せんべいを買ってしまったのだ。

    「兄ちゃん色男やから、鹿にも人気やねぇ」

    「えっ、うわっ!服を噛むな!」

    ヒストーリエは四方八方から集まる鹿たちに包囲され、せんべい売りのお婆さんの軽口に答える余裕もなく草原の中央あたりへ流されて行った。

    その間も彼はせんべいを掲げたままだ。
    一体何を考えているのやら──しかし、それに対する鹿の反応は様々で興味深い。
    服やバッグを喰む鹿もいれば、頭を上下に振り回して威嚇する鹿もいる。
    ……もしや、これが「お辞儀」なのだろうか。
    ヒストーリエがせんべいを買う前に「ここの鹿たちはせんべいをあげる前にお辞儀をするらしい!見てみないか?」と言っていたが、その話を聞いていなければ、勢いよく頭突きをされると勘違いして焦っただろう。

    そうこうしている間にも、ヒストーリエが率いる鹿の群れとの距離は離れていく。
    彼らの歩みに合わせて、私も草原の中央へ向かうことにした。

    群れから少し離れた位置は、全体の様子を見ることに打って付けだ。
    なるほど、1匹がせんべいに気が付いてヒストーリエの方へ歩き始めると、その近くにいる鹿もつられて歩き始めている。そうやってこの鹿たちは、次から次へと広範囲から集まってきていたのだ──。

    「おーい!」

    ハッとして声の方を見ると、この騒ぎに慣れた様子のヒストーリエが鹿の群れを引き連れて、笑いながら私の方へ向かってきていた。

    「せっかくだしドクトーレも一緒にあげないか!鹿に夢中でせんべい買わなかったんだろー!」

    「やめろ、寄るな色男!」

    「なんだよそれー!」

    テンションの上がったヒストーリエには何を言っても無駄で──。
    あれよあれよという間に、私も鹿に囲まれたのだった。


    おわり
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺👍💖☺☺☺👍👍👍☺☺☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    カニせんべい

    DONE「えっ!ハンバーガー食べたことないのか!?」

    ヒストーリエは思わず耳を疑った。ドクトーレとの会話はいつでも驚きの連続だが、まさかハンバーガーを食べたことが無いとは想像もしていなかった。

    「もっとドクトーレは色々な経験をした方が良い…!」

    ドクトーレは全く気にした事が無かったが、そう力説するヒストーリエに押され、人生初のファストフード店にチャレンジすることにした。
    ドクトーレと初めてのファストフード6月に入り、雨の日が増えてきた。ドクトーレの東屋の周りにはアジサイが鮮やかに咲き始め、温室への小道を彩っている。雨の日でもドクトーレは東屋に現れたが、東屋はお世辞にも過ごしやすい場所とは言えなくなってきていた。

    湿気と日照不足、そして蚊。ヒストーリエは東屋に蚊取り線香やランタンを準備して、過ごしやすい環境作りをしていたが、風の強い日は雨が吹き込んでくるので、そういった日には嫌がるドクトーレを連れて、ドクトーレの第二の東屋(東屋に代わる室内の居場所)探しのために建物内を歩き回っていた。

    そんなある日のこと。

    「サンドイッチ忘れた」

    ヒストーリエのお昼ご飯を買いに学内のコンビニへ向かっている最中、ドクトーレがボソッと呟いた。
    4687

    recommended works