Haveそれは酷い夢だった。
だけど、寝起きの脳では夢か現実かの区別もすぐには出来なかった。
ある時は、一緒に寝たはずの温もりが消えていたり。
ある時は、通話中、突然さよならを告げられたり。
ある時は、白んだ視界の中、もう二度と開かない柵越しに微笑んでいたり。
段々と脳が覚醒していき、それらが全て夢だと気付けるのは、起きて数分が経ってからだ。
浮奇はじっとり汗ばんだ身体の気持ち悪さと、夢見の悪さに舌打ちをする。
ああ、この不快感をどうにかしなければ。
それは酷い妄想だった。
けれど、そう考えてしまうのも仕方がないと思う。ファルガーの生きてきた時代は、世界は、常に終末との隣り合わせだったのだから。
例えば、急にどちらかが配信者を卒業してしまうこと。
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