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    ひそひそ心

    @A_c2lu

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    ひそひそ心

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    ベジトさんの過去のお話。改めて書き直さと思います。

    ##SKY創作
    ##SS

    星の数あるひとつの話 caseイベジトナ昔々、三人の愚か者が使命も果たさず、来る日も来る日も悪さばかりで遊び呆けていた頃。
    ある日、愚か者の一人が「光の生物を食たい」と言い出した。
    二人は躊躇いつつもその言葉に賛同し、まずは草原にいる蝶を食べることにした。

    蝶は簡単に捕まえることができた。
    それぞれ翅を摘み「せーの」という掛け声で、蝶を口に放り込む。
    ひとりは、口に放るフリをして、そっと蝶を逃した。
    ひとりは、蝶を丸呑みすると、次第に体が粒子化し、粒子が光の蝶へと変化。草原の空へと舞っていった。
    ひとりは、味をしっかりと確かめるように咀嚼し、飲み下した頃には、その容姿は化け物へと変化していた。
    化け物の姿へと成り果てた愚か者を見て、心優しい優しき愚か者は恐れ慄きその場から逃げ出した。
    ひとり取り残された化け物は、行き交うかつて同じであった者たちからも怖がられた。
    化け物として追われ、身を隠すように雨林へと向かう。

    化け物は星の子に戻る方法を探した。遺跡や神殿を巡り、書庫から盗んだ文献を漁るも、それらしい記述は存在しなかった。
    さまざまな魔法を試しもしたが、一向に戻る兆候はない。

    どれほど年月が経っただろうか。
    愚かなる化け物はいつしか戻ることを諦め、死に方を探していた。
    首を切り落としても、串刺しにされようとも死ぬことが許されない身体。
    最後の手段として化け物は、重い足取りで天空を目指す。
    こんな化け物でも、エアバードに頼めば死なせてくれるかもしれない。
    そんな淡い期待を抱いて……。
    天空で愚かな化け物を待っていたのは一匹の蝶だった。
    言葉ともとれぬ小さな音が頭の中に響く。
    「こんにちは、愚かな星の子。キミから受けた苦痛は24回。キミが人の姿に戻れるのは24回目の転生後。
    人に戻れたその時、キミの命は燃え尽きるだろう」
    24回。それは蝶を咀嚼した数。
    そう、愚かな化け物は光の生物から報いを受けていたのだ。

    あれから、17回の転生を繰り返した。
    もうほとんど戻れたが、よくよく見れば手足などヒトでない部分が目立つ。
    長年、地道に作っていた幻惑の薬がようやく完成した。これで小さいが星の子の姿になれるようになった。
    星の子として見られるのなら、わざわざ転生して嫌味な蝶に会う必要もない。
    雨林の晴れ間のエリアの小さな洞穴の中、少女は小さくほくそ笑んでいた。
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