おはよう。そして、おやすみ「はぁ…」
玄湖が、本日何度目かのため息を吐いた。
昨夜、診療所になんの連絡もなしに訪れ、そのままお気に入りのクッションの上で静かに寝始めたミミズクの青年が、このため息の原因だ。
彼は、いつしかこの診療所に訪れては、我が物顔で寝るようになっていた。
玄湖がひと眠りして目が覚めたら、隣で彼が寝ている。なんて時もあった。
そのときは、さすがの玄湖も心臓が飛び出るほど驚いたものだ。
「レイムさん、もう朝ですヨ。いい加減起きてください」
いつものように声をかけるが、それで彼が起きることはない。
(完全に舐められてマスね…)
腕を組みながら眉間の皺を押さえる。
以前は、揺すって起こそうとすれば、肩に触れるすんでのところで腕を捻り上げられた。
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