聯合鉄で出来た物静かな通路にカン、カン、カンと足音が鳴り響いていた。
静かな通路を心置き無く進んでいく男は、道中で拾った鉄パイプを片手に、いつも以上に機嫌の良い表情を浮かばせ誰一人いない研究所を歩き回っていた。
研究所を歩き回り、通路を右折した男は、突然ダストと鉢合わせをした。すると次の瞬間、男は瞬きをする暇もなく鉄パイプを片手で振りかざしダストの頭部を殴り飛ばした。頭部を飛ばされたダストは、膝から崩れ落ち、ぐしゃと液体状特有の音を立て静かに消えていった。男は消えてゆくダストをじっと見つめ、軽くため息を着いた。
ワイド「違う」
一人。
ワイド「違う」
また一人。
ワイド「…違う」
そしてまた一人。ワイドはダストの造り出したもう一人の自分を、出会い頭に容赦無く殴り飛ばしていった。ワイドに慈悲は無くこれで何体目だろう、と考えるもワイドは既に飽き、はぁ〜と深い溜息をつきその場へと屈み込んだ。そして、目の前にあるダストの飛び散ったインクを人差し指で少量すくい、何を思ったのかそのまま口へと運んだ。ワイドは顔を歪ませ、あからさまに嫌な反応をした。
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