可愛い君への贈り物「ねえ、その飴ってどこで買ってるの?」
「あ そんなん適当に目についたの買ってんだよ」
今日もロナルドの口の端からは白いスティックが覗いている。いつからか、煙草の代わりに咥えるようになったそれは、甘い香りを放つロリポップ。口を開くと感じる香りはいつも違ったもので、特に気に入りがあるという訳ではなさそうだとドラルクは感じていた。
「好きな味とかこだわりもなさそうだよね」
「別に。口寂しくなきゃそれでいい」
「そっか」
ロナルドの咥える飴から視線を逸らしたドラルクは、スマートフォンを操作する。遊んでいた協力ゲームは、現在はロナルドのターン。操作の片手間に、通販サイトを開くなど造作もないことだった。
「何してんだよ」
2767