第七話 "狼男"三日前。暗黒街某所。
廃ビルの地下にある薄暗い部屋に蔵面で顔を隠した和服姿の男が座布団の上で あぐらをかいていた。
「要件は?」
「あ、あの……この、ギャングを殺して欲しいのです」
目の前に正座をしているのは依頼人である男。普通の人とは違う独特で妙な気配漂わせる相手に怖気付いているのか、顔をよく見られず、しどろもどろに言った。
「理由は?」
「ふぁ……ファミリーのです。お、お恥ずかしながら…僕は無力のあまり……どうにもできなくて…!」
依頼人は"標的"の写真と資料を差し出して言った。和服姿の男は受け取り目を通した。
「……承知した」
「あ…ありがとうございます!」
依頼人は勢いよく頭を下げて礼を言った。
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