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    thukikage26

    一次創作の民です。
    二次創作はRevo(SH/LH)、怪盗クイーン、アイマスとかがすきです。
    ここには落書きや進捗を置いていこうと思います。完成品が上がらないのはGALLERIAにあげてるから。
    真面目絵 GALLERIA https://galleria.emotionflow.com/48975/
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     アイマス垢→https://twitter.com/maskage26

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    thukikage26

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    ポメガバースなアディリトの話をかんがえてた時期に勢いで書いたもの。リトが登場するまで勢いが続かなかったから供養。
    名前出てないから補足説明するけど、視点主がアディ、3階の住人がリトです。

    #オリジナル
    original

    ポメアディアン 疲れた。
     仕事を終え、体を清めた僕の口がそう動いた。
     今まで傷つけてきた人達の顔。人を殺す事でしか生きていくことが出来ない自己嫌悪。それらが思考を黒く埋めつくし溢れ出す。
     水滴として落ちていくそれをぼんやり眺めながら、階段をのぼり、二階にある自分の寝室の扉を開けた。
     暗い部屋。
     誰もいない部屋。
     今の自分の脳みそみたい。
     そう思うと入れなくて、入ったらもう二度と出られなくなりそうで、僕は後ずさった。
     自然と足は階段に向かい、登っていく。そしてたどり着いた 3階丸々使われた部屋のドアを開けた。
     ここにも誰もいない。この部屋は、一週間に1,2回しか寝室として使われないのだ。
     けれどここは自分の部屋よりも物が多いし、ずっと明るく見える。そしてなによりこの、爽やかでほっとする大好きな匂いが、僕の脳を埋め尽くす黒を少し拭き取ってくれた。
     もっとこの香りに包まれていたくて、僕はフラフラと部屋に入り、部屋の奥にある布団へ倒れ込んだ。
     深く息を吸い込む。布団からはみ出た手足を丸める。匂いが強く香る枕やぬいぐるみを抱きこむ。
     そうして僕はやっと、何日ぶりかのまともな睡眠を摂ることが出来た。

     翌朝。瞼を貫いてくる日の光に起こされた。眩しさから逃げるために、僕はぬいぐるみに鼻先を埋める。けど、なんか物足りない。
     一晩中僕と一緒にいたぬいぐるみでは、僕の大好きな匂いが薄れてしまったのかもしれない。
     集めなきゃ。
     もやもやとした焦燥感に駆られ、僕は布団から這い出た。
     何故か足で立つのが難しくて、手も使って歩いていく。
     布団の次に匂いが集まっている場所は……クローゼットだ。
     いつもより手が不器用になっているから、鼻先も使ってなんとか引き出しをこじ開ける。何とか開いた隙間から、求めてた匂いがふわりと立ち上がった。
     これだ!
     僕は手前にある服を咥えて引っ張り出した。そのまま布団へと引きずっていく。ぬいぐるみの上に被せると、より一層、これだ!という気持ちになった。
     もっと集めよう。
     別の引き出しや扉もこじ開けて集めていく。
     特に匂いが強い服だけを選んで集め終えたら、次は布じゃない匂いだ。服に比べて数は少ない。けれど、机の上にある複雑な構造をしたペンや、そのインクを消せる白いゴム、小さくて分厚いのに軽い本とかは、しっかりと匂いが付いていた。それから、椅子の上のクッションやブランケットも。
     匂いが強いものを全部布団の上に集めると、こんもりした幸せな山ができた。今度はそれを少し崩して、僕が真ん中に入れるように窪みを作る。そしてそこに勢いよく飛び込んだ。
     完成だ。
     どこを向いても大好きな匂いでいっぱいで、起きた時に感じたモヤモヤが小さくなっていた。視界の端に入る僕の髪と同じ色のふさふさも、満足気にゆらゆらしている。
     達成感に包まれウトウトしながら、考える。
     僕自身にもこの匂いが付いたらいいのになぁ。そしたらずっと一緒にいられるのに。
     でも、起こるなら逆かもなぁ。ここにある物達についてる匂いが、僕の匂いで起きかわっちゃうかも。今朝のぬいぐるみみたいに。
     だって僕が匂いの元だから。
     周りにある僕の大好きな匂いたち。この匂いの元は、ここにはいないから。
     急に、小さくなったはずのモヤモヤが膨れ上がって、目が冴えた。
     この匂いの元がいない。それがこんなにも不安で、悲しくて、寂しくて……。
     そうだ、僕は寂しいんだ。だから沢山匂いを集めて紛らわそうとしてた。
     寂しいことを自覚したら、どうしても匂いの元に会いたくなった。
     呼んだら来てくれるだろうか……。
     その人の名前を声に出して呼んでみる。高くて、細くて、とても情けない声。
     それが部屋に吸収されて、消えてしまう。それが更にどうしようもなく寂しくなって、僕は夕日が差し込む部屋の中で鳴き続けていた。
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