今日の庭の作業を終えて部屋に戻ろうとドアを開けるとハウレスさんとボスキさんがなにやら言い合いをしていた。
ま〜たやってるんすか?今日はなんなんすかね、ボスキさんがハウレスさんの焼き菓子また勝手に食べたとか?
「だから!俺の焼き菓子を勝手に食うなといつも言ってるだろ!」
「あ?あんな所に置いてるお前が悪いだろ、食ってくださいって言ってるようなもんじゃねぇか」
おっ、正解みたいっすね〜
喧嘩をする2人の声を聞きながら今日見て回った花たちの状態などをノートにメモしていく。
この花は今綺麗に咲いてるんで明日主様のお部屋に飾ろうっと。
こっちの花は咲ききって萎れてきてるんで種を取ったあと、時期がずらせるか研究してみるっすかね〜
ふんふんと花歌を歌いながら細かくノートにメモを残していく。
最後の1文字を書き終え、パタリとノートを閉じたタイミングで部屋のドアが開いた。
「えぇ、2人ともまた喧嘩してるの?」
「おかえりなさいっす!フェネスさん。」
「ただいま、アモン。今回はなんで喧嘩してるの?」
「あぁ、またボスキさんがハウレスさんの焼き菓子食べちゃったみたいっす」
「また?2人とも懲りないね……」
「そうっすねぇ……」
「あ!そういえばアモン、」
「ん?どうしたんすか?」
「夏咲のコスモスって植えてたりする?主様がコスモス浮かべたお風呂入りたいなって呟いてて」
「それなら今ちょうど綺麗に咲いてる品種があるっすよ!時間的にまだ大丈夫そうだし見に行きます?」
「いいの?じゃあ見に行こっかな」
「了解っす!サッと準備するんですぐ行きましょ♪」
2人がるんるんで部屋を出ていったあと、
「そもそもお前のスペースが散らかっててたまに俺のスペースにまで入ってきてるのが悪いんだろうが。」
「定期的に片付けはしている!人が隠している焼き菓子を引っ張り出して食べるなと言っているんだ」
「あれで片付けてんのか?すぐ散らかすハウレスが悪いだろ」
「ぐっ…!人のせいにするな!人のものを勝手に食べるお前が悪い」
「だよなぁフェネス!」
「だよなぁアモン!」
声を揃えて同室の仲間にを得ようとするも、返ってきたのは静寂だった。
「あれ、2人ともさっきまでここにいなかったか?」
「いたはずだが」
「またどこかに行ったのか」
「よく働くなぁ、2人とも」
「お前はそういうところを見習え」
「あ?」
フェネスとアモンが庭からコスモスを摘んで部屋に戻ると、まだ喧嘩は続いており、仲裁に入ったフェネスの笑顔がとても怖かったとアモンは後に語った。