……いつの間にこの子はこんなに頼もしくなったんだろう。ボクの中では数年前の体が弱くて泣き虫で1人では何もできなかった子が、再会して顔を合わせる度に、成長していることを目の当たりにして寂しくなる。家を出たことは後悔はしていないけれど大好きな陸や両親のそばにいられなかった事はとても辛かった。辛さを紛らわせようと、無我夢中で練習をして倒れて、九条さんに酷く怒られたこともあった。今はもう、病室から出られなかった、1人では何もできなかったあのころの陸とは違う。
「天にぃ!マネージャーが落ち着いたら家まで送ってくれるって!」
今は、何も考えないでいよう。
「陸、明日の仕事は?」
「明日?明日は1日オフだけど……」
「そう。ボクは明日午後から仕事だからそれまでボクのそばに居て。」
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