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    yuu__ergs

    @yuu__ergs

    主にりつの体不。
    いずれ🍁🦌🍁や979も書きたいな〜と思ってたりもする

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    yuu__ergs

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    りつ誕体不ver
    低気圧に負けるりつ。最後にちょっとみかも出る

    「……さいあく」
    目が覚めた瞬間、酷い頭痛がして窓の外を睨んだ。
    予想通り、窓の外は重苦しい灰色の雲が空全体を覆っていてざあざあと大粒の雨が叩きつけられている。
    今日は自分の誕生日で、パーティやその他、スケジュールが詰まっているというのにタイミングが悪すぎる。
    「……ぅ、」
    一瞬、酷く痛んだ頭を抑えのそりとベッドから出る。テレビ台の下、共同の常備薬が入っている引き出しからいつもの頭痛薬を取りだし、ゼリーと共に流し込んだ。
    ちらりと時計を見上げると仕事の時間までにはまだ少し時間がある。恐らく、待ち合わせの時間までには効き始めてくれるだろう。未だベッドで眠るみかを起こさないように電気は付けないまま、ゆったりと準備を始めた。

    ***

    今日は星奏館まであんずが迎えに来てくれるはずだ。迎えに来てくれるとは言っても、あんずは星奏館の中には入ってこられないので正面玄関の前までなのだが。
    準備を終え部屋を出た凛月は共有ルームへと向かう。少し前から微かに感じていた耳鳴りが酷くなってきている気がする。薬を飲んでから1時間以上は経っているはずなのに少しも効いておらず、頭痛と耳鳴りは収まるばかりか酷くなる一方だ。
    「外で立って待つのはさすがに無理だなぁ」
    "着いたら連絡して"
    ホールハンズであんず宛にそう送ると、時間まで共有ルームのソファで横になっていようと再び足を進める。
    さすがに時間が早すぎるせいか、共有ルームには誰一人と見当たらず薄暗い。静かでちょうどいいやとソファへと歩を進めた共有ルームの端。あまり人目につかない場所にあるふかふかのソファに身を沈め今日のスケジュールをぼんやりと時間が早いものから辿る。
    まず、ファンクラブ会報用のソロカット撮影とインタビュー。その後、フィーチャーライブ用の衣装合わせ、Knights全員でSNSでライブ配信をした後学院で授業を受けて部活にレッスン。その後はESでバースデーパーティ。今日は薬が効かないようだから最後まで耐えれるだろうか。テレビの収録やライブ配信以外でのファンの前に出る仕事がないのは不幸中の幸いと言うやつだ。
    「…くん、凛月くん、」
    「っあ、薫…さん?」
    「おはよう凛月くん。あんずちゃんが玄関で待ってるよ」
    「えっ?あ!」
    慌てて沈めていた体を起こす。と、ぐわりと視界が歪み、ボスンと勢いよくソファへと逆戻りする。
    「わ!凛月くん大丈夫!?」
    ぼんやりとしていたせいで忘れかけていた頭痛と耳鳴りが、一気に襲ってくる。さらにはめまいまで追加され目を開けていられずに耳を押えてぎゅっと目を閉じた。
    「あ、う、っ……」
    「凛月くん!?」
    「かおるさ、ごめ、」
    ぽす、
    驚く薫へ伸ばした細い左腕が、力なくソファへと落ちた。

    ***

    「…ん、」
    「あ、りつくん起きた?」
    「みかりん…?」
    「おん、俺やで。」
    「ここ、部屋…?待って今何時?」
    ハッとして寝かされていたベッドから飛び起きると、バランスを崩しくらりと体が傾く。
    「わっ、いきなり起き上がったら危ないで。今は夜の9時や。」
    「えっ…?」
    「もう、まだ横になっとったほうがええで。」
    「でも、仕事、」
    「大丈夫やって。りつくん、共有ルームで気失ったのを羽風先輩が運んできてくれたんよ。お仕事の方はあんずちゃんがリスケしてくれたみたいやで。」
    「薫さんが…?」
    「おん。りつくんが寝とる間に色んな人が来てくれてたで。みんな明日の楽しんでな、楽しもうなって言ってすぐ帰ってしもたけど。ナイツの人達だけ10分くらい寝顔見てたみたいやけど。」
    「そう、なの…?」
    「おん。パーティは明日の夕方に移動したから今日はもう、ゆっくり休んでや。」
    ふわりと布団をかけ直され、優しく、頭を撫でられる。窓の外は朝の天気が嘘のように明るい月と沢山の星が、輝いている。
    「そや、りつくん誕生日おめでとう。今日一緒に寝てもええ?」
    「ふふ、ありがとう。いいよ、おいで」
    「ほんなら、お邪魔しまぁす」
    にこにこと布団を上げて待っているりつの腕の中に潜り込んでくる。
    「わ、りつくんずっとお布団の中で寝とったんに体温低いなぁ。俺が暖めてあげるわ」
    「みかりんあったかぁい」
    ぎゅうぎゅうと2人で抱き合い笑う。
    「はぁ、俺の体温だいぶ持ってかれた気ぃするわ」
    「あはは、ありがとねみかりん」
    「どぉいたしましてって言っても俺何もしてへんで?」
    「いいの。寝よっか。電気消すね」
    「おん」
    ピッ
    「明日のパーティ、沢山お祝いするな」
    「ふふ、楽しみにしとく」
    真っ暗な部屋。同じ布団の中で鼻と鼻の頭がくっつく。すぐ側にあるみかりんの綺麗な顔。みかりんは鳥目だからこんなに近くても俺の顔は見えてないんだろうか。見えてて欲しいような、見えて欲しくないような、不思議な感情。
    「おやすみみかりん。」
    「おやすみりつくん。」
    暖かいみかの体温に、今日は安眠できそうだな、と目を閉じた。
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