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    Hoopono41030595

    @Hoopono41030595

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    Hoopono41030595

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    発作のように「本丸のくわぶぜ書きたい」ってなりました。
    でももっと溌剌とした豊前くんが書きたかった。

    えちはないけど豊前くんずっと裸。

    「おい、保護者。いるか?」
    「何?僕のこと?」
    大きな体をかがめるようにして部屋に顔を出したのは大典太だった。
    僕は、読んでいた本から顔を上げて首をかしげる。
    彼は、今僕のことを「保護者」と呼んだ。
    ということはきっと豊前に何かあったのだろう。

    別に彼を保護しているつもりはないけれど。
    ……何か保護しなければいけない事態が起きたのかもしれない。

    「豊前が、どうかした?」
    「風呂でぶっ倒れて溺れかけた。今、兄弟が見てるから、行ってやってくれ。」

    やはり、保護すべき事態の発生だ。
    僕は、大典太に礼を言うとすぐさま大浴場へと向かった。

    実はこうなった一因は、きっと僕にもある。
    さっき出陣から帰った豊前は、傷こそ負っていないものの、相当に疲れていてそのまま寝そうな勢いだったのだ。泥と返り血を浴びた体のままで。
    それを僕がなんとか留めて風呂に入るように促した。「シャワーだけでいいかな。」という彼に首を振り「湯船にじっくり浸からないと疲れはとれないんだよ。」と無理やり風呂に押し込んだ。

    いつもは早風呂で、僕や篭手切りに怒られる豊前にしては、戻りが遅いなーと思っていたら。
    風呂で眠ってしまったとは。

    一緒について行ってあげればよかった。
    ぎりっと奥歯をかみしめて後悔するがもう遅い。

    風呂場につくと、ソハヤが僕に気づき立ちあがる。豊前はその足元に寝かされていた。
    「おー来たか保護者。」
    「うん、ハヤさん、ありがとうね。でどうしたの。大丈夫そう?」
    僕はソハヤに声をかけた。
    「まあ、いやに静かだな。とは思ったんだけど、茹ったまんま、寝ちまってるとは思わなくって。」
    どうやら、湯船につかったまま眠ってしまって、そのまま茹ったうえ、溺れかけたところを三池兄弟に救出されたようだ。

    目の前に寝かされている豊前は、頭に冷やしたタオルを乗せられた姿でハアハアと苦しそうな息をはいていた。
    いつもは真っ白な肌は湯につかりすぎたせいかだいぶ赤くなっている。
    「豊前、大丈夫……?」
    僕が声をかけると小さなうめき声が帰ってくる。
    「気持ちわりぃ……。」

    こういったものはたぶん、手入れ部屋では治らないし、薬でどうにかなるもんでもない。

    のぼせて折れた刀剣という事例も聞いたことはないが、それでも心配にはなる。

    「とりあえず、連れて帰るよ。ハヤさんも湯冷めしないようにしてね。」
    「おー。じゃ後は任せた。あ、頭は低くすんなって、薬研が言ってたぜ。気を付けてな。」

    ソハヤは桑名に後を託すと手早く身支度を整えて出ていった。
    時間も遅く、今ほとんど風呂に入ってる仲間はいないようだ。
    誰にも気づかれなかったら、と思うとぞっとする。
    まあ、溺れて折れた刀剣も聞いたことはないが。

    「豊前、起きられる?」
    声をかけるが、少し身じろぎしただけで「うぅー。」と小さくうめき声をあげる。
    仕方がない。とりあえず下着だけ履かせる。

    脱がせたことは何度もあるが履かせるのは初めてだな。

    寝間着用の浴衣で体をくるんで抱きかかえる。髪の毛からぽたぽたと雫がたれるが今日は大目に見てもらおう。

    「よいしょっと。」
    頭は低くしてはいけないというから、肩に抱えるのはNG。おんぶすることも考えたが豊前の体に力が入らないので、だいぶ僕が屈まないといけないし、ちょっと危険。やはりこれは横抱きにするしかない。

    抱え上げると、浴衣越しでもまだ体が熱い。
    これは、熱中症と同じで脇とか鼠径部も冷やさないといけないな。
    そんなことを考えながら、部屋へと向かう。
    するとなんとか意識を取り戻した豊前がするりとその腕を僕の首に回した。
    「わりぃ……しくった……。」
    「うん、僕もごめんね。見誤ったよね。あとでみんなにお礼言わないとね。」
    首に回された腕はまだピンク色で熱をもっていた。
    僕は、その腕にすりっと頬を寄せる。

    「桑名のほっぺ、冷たくて気持ちいな。」
    「君が、熱持ってるだけだよ。豊前、もう少しでゆで卵になっちゃうところだったんだからね。」
    「ああ、めちゃくちゃ頭いてーし、ぐらぐらして気持ちわりぃ。そから…ねみぃ。」
    「いいよ、寝て。」
    「ん。……。」

    どうやら、疲労は限界を突破したらしい。
    呼吸は少しずつ穏やかなものになり、そのままふっと意識を手放した。

    まあ、僕の腕の中で安心してくれるのは嬉しいけどね。
    まずは体を冷やして……でも風邪はひかないようにしなくっちゃ。
    浴衣はどうやって着せてあげたらいいかなぁ。
    まだ春は浅く朝晩は冷え込むから、ちゃんと着せてあげないと。
    まず布団敷く間、豊前をどこに置いとこうか。

    はぁ、僕は今日は眠れなさそうだな。

    ま、とにかく明日の朝には元気になってもらわなくっちゃ。

    僕は意識を手放した恋人の顔を少しだけ持ち上げると、その熱を持った唇にちゅっとキスをした。
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    Hoopono41030595

    MOURNINGくわぶぜの日りたーんに合わせて書いていたのですが、「美しい悲劇」で全て吹き飛んだので、出しそびれた。
    キス魔の豊前くんと、キスするタイミングがわからない桑名くん。
    加減がわからず暴走する桑名くんが大好き。
    桑名江はキスがしたい【くわぶぜ】「おけーり、桑名。今日も畑楽しかったか?」
    ニコニコの笑顔で、豊前が両手を広げて胸に飛び込んでくる。
    僕はそれを、両手を広げて受け止める。
    「うん、いっぱい収穫したよぉ」
    僕が、豊前の身体を引き離すようにして声をかけると豊前は満面の笑顔で「そっか、よかったな」と言いながらその唇に優しくキスをした。


    これは大広間での出来事。


    夕食前のひととき、歓談するもの、テレビを見るものなどたくさんの刀剣男士たちが集う大広間での出来事だ。

    キスをする僕たちに、びっくりするもの。冷やかしの声を上げるもの。にこやかに微笑むものなどその反応はさまざまだが、豊前は、そんなことは全くお構いなしのようだった。

    まあ、僕も豊前のかいた胡坐の膝に、頭を乗せようとしているわけだし、僕たちが恋人同士だということを知らない男士はこの本丸にはいないわけだし、日常の後継だといわれればその通りなのだが……。
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    Hoopono41030595

    DONEエアSSその2。お題は「ゴムを買いに行くヘタレクワナ君」。
    ホントにヘタレですんでご注意。
    くらげ(@ao_krg)さんリクエストありがとうございました。

    #江楽宴
    僕は今、ものすごく悩んでいた。
    激安と名高い、大型のディスカウントショップ。その売り場の一角で立ち尽くしてもう30分にはなるだろうか。

    「ゴムって……こんなに種類あるん……?」

    目の前に壁のように並べられた各種コンドームに僕は圧倒されていた。

    僕が豊前と体を重ねるようになって、数か月。
    ゴムやら、ローションやらを準備してくれるのはいつも豊前だった。
    僕も、それには何の疑問もなかったんだけど……。

    「あ、今日、ゴムもローションもねーわ。」
    夜も更け。
    さてやるか、という段階になって豊前がそう言いだしたのだ。
    僕はすっかりやる気満々でいたんだけれども、その一言で豊前は「今日はナシだ。」と言い始めた。

    そんな!そんなのひどい!!
    僕は抗議の声を上げるが、豊前が否というのだから交渉は成立しない。
    それでもあきらめられない僕は……まあ、口でしてもらったわけだけれども……。

    っていうことは、豊前に用意してもらわなくてもゴムとかローションとかが常備されていれば、いいんだよね。

    そう思い立った僕は生まれて初めて、そういったたぐいのモノを買いに来て、今、そこに立ち尽くしているのだった。

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