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    Hoopono41030595

    @Hoopono41030595

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    Hoopono41030595

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    小夜×歌仙。
    両思いだけど何も進展していない二人がイチャイチャするだけです。キスどまり。
    お小夜はスパダリの予感。
    歌仙の覚悟が決まればいつでも進展するのですが、もう少しかかりそう。

    優しい夜今日も遅くなってしまったな……。
    近侍の仕事を終え、歌仙は自室へ向かい廊下を歩いていた。

    時間は夜九時。
    近侍としての仕事が溜まってしまっていたので、夕食を取りそびれてしまった。
    今から台所へ行ったら何か、みそ汁くらいは残っているだろうか……。

    そんなことを考えながら、自室のふすまを開けるとそこには思いもよらない光景が広がっていた。

    「あ……おかえりなさい……。」
    「……お小夜……。」

    こざっぱりとした品のいい室内、小さな飾り棚には先日入手したばかりのお気に入りの花活けが飾られている。

    間違いなく歌仙の居室だ。
    その中央に置かれた小さな座卓には、小さな手で握られたのだろう。小ぶりなおにぎりが三つと、鮮やかな黄色が美しい沢庵。そして湯気を立てるみそ汁椀が置かれていた。

    そしてそのそばにちょこんと座るのは、小夜左文字。

    「これは、お小夜が用意してくれたのかい……?」
    「そろそろ戻ってくるかな、と思って……。」
    小夜がこくりと頷くと、歌仙の顔はパッと明るくなった。
    ふわりと、まるで花のような微笑みを浮かべ、優雅に礼を述べる。
    「ありがとう、ちょうど台所に何か残っていないか、探しに行こうと思っていたところなんだ。残飯を漁るなんて雅ではないけれど、空腹を抱えて眠るよりはいいからね。」

    小夜は歌仙が喜んでくれたことが嬉しいのか、少し顔を赤らめ、小さな声でぼそぼそとしゃべる。
    「夕食時にいなかったし……それに、今日の歌仙はなんか、顔色が良くないです。」

    顔色……?
    言われて歌仙は、ふいっと壁にかけてある小さな鏡に目をやる。
    室内ではその色合いまでよくわからないが、なるほどたしかに目の下のクマは濃く、疲れがにじんでいるかもしれない。

    「そうか、お小夜は心配してくれたんだね。うれしいな。早速頂くよ。」
    歌仙がおにぎりを頬張ると、それは少し硬く具は入っておらず、塩気の強い味がしたが、それでも歌仙にとっては何物にも代えがたい優しい味であった。

    小夜は勝手知ったる様子で、茶箪笥から急須を取り出すと、慣れた手つきで茶を2人分入れる。

    「お小夜、お茶いれるの上手になったね。」
    「……歌仙が教えてくれたから。」
    歌仙がにっこり微笑むと、小夜は少しだけ恥ずかしそうに下をむいた。

    「あ、歌仙。食事が終わったら、一緒にお風呂に入りましょう。」
    「え?風呂……?」
    歌仙が、おにぎりを飲み込み損ね、目を白黒させるが小夜はそのまま言葉を続ける。
    「最近、歌仙はシャワーだけで済ませているでしょう。それでは疲れが取れないと誰かが言っているのを聞きました。」
    小さな声だが、確固たる意志を感じさせる言葉だった。

    歌仙は言葉が続かない。
    確かにその通りだ。ここ数日、忙しくこうして食事を取り損ねたり、風呂に入らずシャワーで済ますことも多かった。

    「お小夜にはかなわないねぇ。」
    歌仙は、目じりを緩ませると急いでおにぎりを飲み込んで、風呂の準備をするのだった。



    ◇◇◇

    「え?今日はココで寝るのかい……?」
    「いけませんか……?」

    風呂に入り、小夜はへたくそなりにドライヤーで歌仙の髪を乾かしてやり、いざ寝支度を整えたところで、小夜が驚くべき発言をした。
    歌仙の部屋に泊まっていくという。

    「そんな……兄上たちが心配するのではないかい?」
    「大丈夫です。ちゃんと兄さまたちには伝えてあります。」
    言いながら、小夜が敷いている布団はどう見ても一つだけ。

    歌仙は、小夜の気持ちを考えて、顔が熱くなるのを感じる。
    小夜と歌仙が恋仲とは言えないまでも懇意にしているというのは、この本丸の誰もが知るところだ。
    歌仙だって、その気持ちに嘘はないし、正直に言えばいつかはその先に進みたいと思っている。

    (でも……そんな…急に……。)
    「歌仙……?」
    そんな歌仙の顔色に気づいたのか、小夜が小さく首を傾げた。

    「僕はお小夜のことは好きだよ……。でも急に……同衾だなんて……。」
    真っ赤になってしまった歌仙に、小夜はきょとんとしている。

    「歌仙……何もしません……。一緒に眠るだけです。僕は体温が高いみたいで、僕と一緒に寝るとよく眠れる、と兄さまたちが言いますから。」

    言いながら、小夜は歌仙の手を引いて布団へと導く。
    おずおずと歌仙が横になると小夜はすっぽりとその腕の中に納まるようにして体を丸めた。

    気恥ずかしさに、緊張感も漂ったが、風呂で解れた体にお互いの体温は心地よく、すぐにリラックスした空気に代わっていく。

    「……本当だ。お小夜は暖かいね。」
    歌仙の言葉に、小夜は少しだけ微笑んだようだった。
    「僕も、歌仙が大好きです。兄さまたちと同じくらい……。だから……一緒に寝たって、かまわないでしょう。」

    小夜の珍しく少し拗ねたような声。
    歌仙は、胸の中の暖かい少年の体をぎゅっと抱きしめた。
    「そうだね。お小夜。僕もお小夜が大好きだよ。」
    すると、小夜はふいっと顔を上げて、その唇を歌仙のそれに小さく重ね合わせた。

    「な!……何もしないって!!」
    「挨拶です。おやすみの……。」

    真っ赤になる歌仙の胸に小夜はまた顔を埋めた。その温度はさっきより少し高くなったように感じられた。


    ◇◇◇

    「歌仙くんが寝坊なんて、珍しいねぇ。おーい、起きているかい?」
    翌朝、歌仙の部屋を訪ねてきたのは燭台切。
    ノックして小さく襖を開けると、その先に見えたのは小夜だった。
    「おや、小夜ちゃん。」
    小夜は、夜着姿のまま、布団に腰かけると口元に人差し指を当てて、小さく「しぃっ」と、燭台切に示す。
    「おっと。ごめんね。」

    歌仙は、まるで子供のような寝顔で眠っている。
    きっとすごく疲れていたのだろう。

    小夜が、燭台切に目で合図すると、燭台切もこくりと頷き、すっと障子をしめた。

    「最近近侍の仕事も忙しかったものね。今日は歌仙くんはお休み……っと。」
    食堂脇の小さなボード、非番のマークのの下に歌仙の名前が書き加えられる。

    そして、静かな部屋に残された小夜は。
    よく眠る歌仙を優しいまなざしで見つめ、ふいにその頬に挨拶ではない意味のキスをしたのだった。
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    Hoopono41030595

    MOURNINGくわぶぜの日りたーんに合わせて書いていたのですが、「美しい悲劇」で全て吹き飛んだので、出しそびれた。
    キス魔の豊前くんと、キスするタイミングがわからない桑名くん。
    加減がわからず暴走する桑名くんが大好き。
    桑名江はキスがしたい【くわぶぜ】「おけーり、桑名。今日も畑楽しかったか?」
    ニコニコの笑顔で、豊前が両手を広げて胸に飛び込んでくる。
    僕はそれを、両手を広げて受け止める。
    「うん、いっぱい収穫したよぉ」
    僕が、豊前の身体を引き離すようにして声をかけると豊前は満面の笑顔で「そっか、よかったな」と言いながらその唇に優しくキスをした。


    これは大広間での出来事。


    夕食前のひととき、歓談するもの、テレビを見るものなどたくさんの刀剣男士たちが集う大広間での出来事だ。

    キスをする僕たちに、びっくりするもの。冷やかしの声を上げるもの。にこやかに微笑むものなどその反応はさまざまだが、豊前は、そんなことは全くお構いなしのようだった。

    まあ、僕も豊前のかいた胡坐の膝に、頭を乗せようとしているわけだし、僕たちが恋人同士だということを知らない男士はこの本丸にはいないわけだし、日常の後継だといわれればその通りなのだが……。
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    DOODLEラクガキ、になるんかな。これも
    診断メーカーで出た
    『おうせ本丸のくわぶぜのBL本のタイトルは「シーツの波間で待っている」で、帯のフレーズは【 身体だけでも愛して欲しかった 】です。』をちょっぴりと

    ぶぜの「存在感すごいのに、何だか希薄」という雰囲気やばい…
    目を覚ますと…背後から緩やかな寝息が聞こえて来た。
    「…………」
     そうだな。夜明けがくるにゃあまだ早い。
     ふわりとあくびをつきながら…俺はその場に起き上がる。
     腰に回っていた桑名の腕が、へたりと敷布の上に滑り落ちた。



     昨夜の事は全部覚えている。
     呑んで。酔って。

    「自分の事なのにさ、俺は自分が今…本当に在んのか。正直わかんねぇんだ」

     言葉が零れる。

    「確実なのは、俺という自覚を持つこの身体だけ。振るう本体だって…結局は主に与えられた仮初の器だから…」

     考える事すら億劫で…
     だけど気持ちかひどく逸る。

    「……布団敷いてくるから、少し休みなね?」

     ふわっと笑う桑名の声。
     いつものように優しくて……

    「大丈夫?立てるかい」
    「…………」
    「そんな風に見上げてくるだけじゃ、解んないよ」

     なぁ。この戦が終わって…
     俺たちが全て本霊のもとに帰るとして。
     だけど。
     もしも…俺の寄る辺が逸話だけであったのなら。

    「わり…確かに深酒しちまったみてぇだ」
    「うん」

     当たり前のように桑名が俺を抱き上げる。
     多分…立てないと判断してなのだろう。
     善意 1247

    Hoopono41030595

    DONE鶴田さん(@ayanenonoca)からのお題「くわぶぜ、お互いの弱いところ」をようやく書きました。遅くなってごめんなさい。

    バカなぶぜくんが性癖なので。このあと塩対応しながらくわわがめっちゃ甘やかしてくれると思います。
    「今日こそは教えてもらう!」
    「もう~、またなん?毎日しつこいなぁ。」

    部屋で横になりながら、本を読む桑名に豊前はドーンとその胸にダイブするように飛び込んだ。
    自然に桑名が受け止める。

    「そうだよ。教えてくれるまでは毎日聞く。」
    「だから、僕の弱点なんて、教えないってば。動物は弱点を知られたら死んじゃうんだよ。」
    「刀だからでーじょぶだよ。」
    そんなやり取りが続いていた。

    ◇◇◇

    桑名の弱点を知りたい。
    豊前がそんなことを言い始めたのはつい数日前のことだ。
    きっかけは何だったか覚えてはいない。
    なんだか、話の流れで「豊前には弱点が多いよねえ。」と桑名がつぶやいた。
    「俺に弱点が多い?」
    「そ、小さい虫は嫌いだし、ピーマンは食べられない。それに……。」
    桑名が豊前に背後からのしかかりおなかや脇をくすぐる。
    「やめろちゃ、こちょばい!」
    豊前は逃げようとするが、体に力が入らないのか上手く桑名の腕から逃れられない。
    「こしょぐられるのも弱いし……。」

    その言葉に豊前はむっと口を結んだ。
    「桑名には弱点はねーのかよ。」
    「どーかな、自分じゃよくわからないけど。」
    「よーっし、俺が弱点 1118

    Hoopono41030595

    DONEエアSSその2。お題は「ゴムを買いに行くヘタレクワナ君」。
    ホントにヘタレですんでご注意。
    くらげ(@ao_krg)さんリクエストありがとうございました。

    #江楽宴
    僕は今、ものすごく悩んでいた。
    激安と名高い、大型のディスカウントショップ。その売り場の一角で立ち尽くしてもう30分にはなるだろうか。

    「ゴムって……こんなに種類あるん……?」

    目の前に壁のように並べられた各種コンドームに僕は圧倒されていた。

    僕が豊前と体を重ねるようになって、数か月。
    ゴムやら、ローションやらを準備してくれるのはいつも豊前だった。
    僕も、それには何の疑問もなかったんだけど……。

    「あ、今日、ゴムもローションもねーわ。」
    夜も更け。
    さてやるか、という段階になって豊前がそう言いだしたのだ。
    僕はすっかりやる気満々でいたんだけれども、その一言で豊前は「今日はナシだ。」と言い始めた。

    そんな!そんなのひどい!!
    僕は抗議の声を上げるが、豊前が否というのだから交渉は成立しない。
    それでもあきらめられない僕は……まあ、口でしてもらったわけだけれども……。

    っていうことは、豊前に用意してもらわなくてもゴムとかローションとかが常備されていれば、いいんだよね。

    そう思い立った僕は生まれて初めて、そういったたぐいのモノを買いに来て、今、そこに立ち尽くしているのだった。

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    nanana

    DONE見えないものが見えるようになった🏍の話。
    まだくわぶぜ付き合ってはいない。
    ミュ本丸の話ではないですが、少しだけミュの設定お借りしてます。
    雨落つ庭(くわぶぜ)1.

     ゆめうつつで聞く雨音は鈍くどこか柔らかい。初夏の朝、ましてや雨降りの朝は少し肌寒く、豊前はつい先日薄手にした毛布をしっかりと被りなおす。明けたはずの梅雨が戻ってきた、最近の天気はそんな感じだ。もっとも、やろうと思えば審神者の力で季節さえも操れるこの本丸仮想空間では四季などそんなに意味もないのかもしれない。世の中には常春の本丸もあるという。絶えることなく桜花が降り続くというのに、いつまでたっても満開の桜が咲き続けるのは一種の狂気だ、と思ってしまうのは移り行く四季を愛するここの主に影響されたせいなのかもしれない。
     水分を含んだ空気が起き抜けの眠気を加速させる。どうせ今日は非番なのだこのままもう一度眠ってしまうのも良いかもしれない。人の身を得てからというもの、二度寝と言うものは非常に気持ちが良いものだと知ってしまったのだ。その気持ちよさと走り出したい気持ちを天秤にかけて前者を選んだ。雨で外には出られないのだし、今日はもうのんびり過ごそうと布団に体を完全に預けた。
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