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    みまる

    @iau_27

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    みまる

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    笹木(笹木目線)

    僕が貴方について行く理由。どうしてでしょうか、親が医者だとその子供までも医者や看護師になるのは。遺伝でしょうか、もしくは憧れなのでしょうか。そんな綺麗事を並べられる家系であって欲しかった。

    僕は名医者の父の元で産まれ育ちました。学生時代の僕は父に憧れていて、将来の夢も父に似た立派な医者になると夢を抱いたほどです。母は医療関係の仕事には着いていませんでした。結婚したての当初はお互い仲が良かったようですが、僕が産まれたことで、両親の不満が漏れお互いを貶し、同じ食卓にいると言うのに一向に会話をしない、したとしても愚痴を並べるだけだった。僕は静かなところが好きだったので何も思いませんでしたが、それが一般的な家庭だと思い込んだまま、いつのまにか僕の心にぽっかりと穴を空けてしまっていたようです。それは本人達に気づかれることも無く、そして1人でその寂しい気持ちを抱え込み勉学に励んでいたので、友人は出来ませんでした。
    母から「好きな人はいないのか」と突然聞かれた時は困ったものです。自分で言うのも恥ずかしいことですが、学生時代は周囲の女性から好まれることが多く、先輩、同期、後輩…色んな人に「付き合ってください」と頭を何度もさげられたが、僕の心には何も響かなかった。むしろ気持ち悪いと思いました。自分の両親にも愛されたことがない僕が、なぜ赤の他人と気持ちを通わせ、愛し合わなければならないのか、不思議で仕方なかったからです。

    僕が父に失望したのは、まだ僕が学生だった頃です。父の忘れ物を届けるため職場に立ち寄った際に、変装した大人気スターが父と話していて、僕は邪魔しないよう壁に隠れて見ていましたが、その男は何やら怪しげな分厚い封筒を懐から取り出し、父に渡して素早く受け取る父の姿を見てしまいました。つまり、実父が賄賂しているところを見てしまったのです。動揺した僕に更に矢を射抜くかのように
    「わかった、優先する。」と父の声が聞こえてきました。僕は怒りで手が震えました。名医者であることだけ尊敬していた父がこんなことをする人間だとは思わず、本当に悔しくなりました。恥ずかしくなりました。
    頭の中が真っ白になったまま呆然と立ち尽くしていると
    「…おぉ、どうした葵」と声をかけられ押し付けるかのように父…いやもう父とは呼びません。男に忘れ物を押し付けるように渡し、僕はその病院を飛び出てました。その日の夜、僕は枕に顔を埋めながら、自分の声を押し殺し泣きました。
    その後、僕は酷い神経症と神経痛に悩まされ、外に出るだけで精一杯の身体になってしまいました。金で左右され自分の仕事を疎かにしてしまう男と血が繋がっていると思うと虫唾が走り、全身が痒くなり、1度だけ自分の体が血だらけになるほど、悶えるような痛みを無視したまま、全身掻きむしってしまったことがあります。
    それでもあの男と来たら自分のエゴを子供に押し付け
    「国試を受けろ」だなんて言ってくるのです。言われた時は鼻で笑ってしまいました。絶対に受かってお前みたいなクズ医者にはならないと心から誓いました。友人や趣味はなかったので、その分勉強には集中でき、無事に試験は合格しました。
    「俺の下で働け」という男に対して、僕は何も返答しませんでした。

    (ここら辺で霧島おじちゃんと出会うんと思うんだけど、まだ何も考えてないので2人の出会い頭はスキップ。)

    この人だと思った。
    この人以上に僕のぽっかり空いた穴を埋め、誰に対しても平等に診察し、明るくて、無愛想な僕を可愛がってくれる人はいないと思いました。
    この人が闇医者だろうが関係ない。与えられた仕事を全うする姿はどんな職業であろうと素晴らしい。「ささっちゃん」っと呼ぶその温厚な声。それに何度救われたことだろう。僕は貴方についていく。
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