残酷な真実と運命知りたくなかった真実
知らなければ、このままずっと幸せに
生きていけたかもしれない

運命とは
真実とは
時に残酷で無慈悲だ






物心着いた時には
すでにその人の屋敷で
沢山の愛情を注がれて暮らしていた

なんの疑いもしないその愛情が
本当は自分でなく
他の誰かに向けられていたとしたら……


自分の存在は
その誰かを守り、生かす為の器にすぎないと知ったら


今世での
運命の相手が
他に存在していたとしたら


自分の選ぶ選択で
他人の運命が
世界の運命が左右されるとしたら


時期と選択を見誤ったら
大切な友人達の未来が変わってしまうと知ったら



背負うものが大きすぎる

どうして自分なのか
どうして気付いてしまったのか
どうして…どうして……

貴方がくれた全てのものと
自分が感じてた全てのものが
偽りだと、想いたくない

あの時の自分の思いは
確かにその時、｢自分｣が抱いた感情だと信じたい

器の自分に癒着してる別の魂の感情が作用してる
なんて、思いたくない…




神様
どうして青は生まれてきたの？
どうして僕が、身代わりの器に選ばれたの？
どうして僕に、真実に辿り着かせたの？
どうして……今更になって本当の運命の相手を
僕の目の前に見せたの？

意地悪だね
神様って


僕に選ぶ権利も
選択肢もないのに

大切な友達や
本当の運命の相手が幸せになる条件が

僕がこのまま器として
やるべき義務、果たさなければならない使命を
間違えることなく遂行しないといけないなんて


知らなければ
今も、金の愛情は自分に向けてくれたものだと
信じて幸せに生きていけたかもしれないのに……



独り声を殺し泣く

明瞭と同じ黄金の瞳から零れる涙



今日も青は
大切なものの為に
生きていく