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    ぽへ猫

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    ナワーブ誕生日おめでとう!!(2024年)

    #リ傭
    mercenary

    薔薇に想いを込めて7月23日、この荘園に来て5度目の誕生日を迎えた。
    去年はサバイバー、ハンター総出でお祝いをしてもらった。

    (※昨年の誕生日SS参照)

    この荘園にいるメンバーのほとんどは祝い事等が好きらしい。
    最初の頃は、自分とは縁もゆかりも無いものだったので正直面倒くさかった。
    しかし、長い時間一緒にいるせいか、その感情はいつしか消え仲間の笑顔を見るのが楽しみなっていった。

    今年はどんな誕生日を迎えられるのか
    そんな事を考えながら朝食を食べに食堂へと向かう。


    「お誕生日、おめでとうなの!ナワーブさん」

    「おめでとう、ナワーブ」

    食堂に入るなり仲間たちに次々とお祝いの言葉を貰う。
    だが、なんとなく皆の雰囲気がいつもと違う気がする。

    「おう、皆ありがとうな」
    礼を言いながら自分の分の食事を受け取り席に着く。
    いつも通りの風景すぎた。
    毎年誰かしらの誕生日は朝から食堂は浮かれてお祭り騒ぎをしていた。
    それが、無いのだ。

    気にはなったが、彼等なりの考えがあるのだろう
    そう思い、何も問わないことにした。

    「君はいつも仲間想いだね、ナワーブ」

    食事を終えたイライが隣に座って話しかける。
    何を視たのか…

    「聞いたって、誰も答えてはくれないだろ?」
    「それもそうだね」

    イライのこの答えで確信した。
    やっぱり皆、何か隠してる。
    皿に盛られた料理を食べ終えた頃に今度はウィリアムが隣に来て肩に腕を回しながら話しかけてきた。

    「ナワーブ!誕生日おめでとう!」
    「サンキュー」

    飯を食い終わった後で良かった、と思うナワーブ。
    無言で少しだけ距離を取るイライ。

    「しっかし、今年のお前の誕生日祭は後日するだなんて、俺らだって当日に祝いてぇのに」

    ん?後日に俺の誕生日祭をする?
    どうゆう事だ?
    当の本人が何も知らない、聞かされてないのだが?

    「ウィリアム君!それはっ」

    イライが慌てて止めに入る。
    それでようやくウィリアムも、しまった、と顔が語っていた。

    「お前達、やっぱり何か知ってんだな?」

    目と顔を逸らすイライとウィリアム。

    「はぁ…一体誰の差し金なんだよ」

    「私ですよ」
    背後から声がした。
    そして次の瞬間には体がふわりと浮いた。
    上を向くとそこに居たのは

    「リッパー!?」

    突然現れたリッパーに
    ナワーブは驚き
    ウィリアムは青ざめ
    イライはニコニコ笑っていた。

    「もぅ少しお喋りがすぎてたら、次の試合でズタボロに切り刻む所でしたよ、ウィリアム・エリス」

    優しい声とは裏腹に言葉は物騒だった。

    「は、ハハ…」
    引きつった笑顔で固まるウィリアム。

    口が滑ったウィリアムが悪いが、同情したイライがそっと肩をポンポンっと優しく叩く。

    「お前が犯人って、どうゆう事だよ」

    「あぁ、それは…」

    話せば少し長くなるのですが、と前置きし語り出したリッパー。

    曰く
    先日のベスト演繹の褒美としてナイチンゲールに
    ナワーブ・サベダーの誕生日の日の彼の時間が欲しい。と、お願いしたらしい。

    そして、それは受理されナワーブ以外の全サバイバー、ハンターに
    『7月23日、ナワーブ・サベダーの1日はリッパーのベスト演繹の褒美として与える事になった。よって、今年の傭兵誕生日祭は後日開催するように』
    と、通達が行ったのだとか。

    「……は?」
    自分の知らない水面下で、何で本人の意思関係なく事が進んでいるのか
    ベスト演繹は凄い事だか、誕生日の主役の意思は無視なのか?

    「なんでそんな願いを出したんだよっ!?」

    「愛しい恋人の誕生日を、2人きりで祝いたいと思うのは至極当然だと思うのですが?」

    公衆の面前で、恥ずかしげもなくこの男は何を言ってるんだ。

    「ってか、そろそろ下ろせ」
    「嫌ですが?」

    色々あって忘れてたが、ナワーブは今公衆の面前でお姫様抱っこされているのである。

    女子サバイバーからの羨望の視線が痛かった。
    物凄く……

    「では、このまま彼は連れて行きますね」

    こうしてナワーブは無事にリッパーによって連れて行かれたのであった。





    舘を出て、そのまま近くの森の中を進むリッパー。
    ナワーブは観念して大人しく腕に収まっていた。
    姫抱っこは恥ずかしかったが。

    「…で、何処まで行くつもりだ?」

    「それは、着いてからのお楽しみです。もうすぐですから……ほら、見えてきましたよ」

    言われて視線を前にやると、そこには飾り付けられた茶会席があった。
    血の女王マリーが好きそうな感じの茶会席だ。

    目的地に着くと、リッパーはナワーブをおろした。

    綺麗に飾り付けされたその場所をナワーブはじっくり見て周った。
    見たことない花が飾られ、リボンやテーブルクロスは少しだけ暗い色が混じった赤色、置かれてる飾り石は緑が多かったが、ひとつだけ薄ピンク
    があった。

    「どうです?気に入って頂けましたか?」

    軽食を乗せたワゴンから飲み物を取り、ナワーブに差し出すリッパー。
    返事をしながらそれを受け取り一口飲む。

    「……これ、酒か?」
    「ええ、サザンウィンドとゆうお酒ですよ」

    初めて聞く酒の名前だ。
    そして甘い。

    「たまには甘いお酒も悪くないでしょ?因みに……」
    この酒は、マンゴー・ヨーグルト・ココナッツのリキュールに、オレンジジュースと牛乳混ぜて作るらしい。

    そして、飾られてる花はアリウム・ルコウソウ・ジンジャー・赤のハイビスカス・ブーゲンビリア
    石はグリーントルマリンとパパラチアサファイアらしい。

    あまり聞き慣れない名前ばかりでナワーブは少々追い付けていなかった。
    一体どこから入手したのか…これも荘園主の力なのか。

    色々考えなが説明を聞いていたが、ふと疑問に思った事を聞いてみた。

    「なぁジャック。なんでこの花や酒、石なんだ?お前の趣味ではないだろ?」

    そう、どう考えてもこの茶会席の飾りたちはリッパーの好みの物とは違った。

    「あぁ、気付いてくれましたか?勿論ここの飾りには全部意味があるのですよ」

    持っていた酒をテーブルに置き、ナワーブを抱き上る。
    花の近くまで行くとひとつひとつ説明してくれた。


    アリウム、その花言葉は『円満な人柄・不屈の心・正しい主張』
    ルコウソウ、その花言葉は『おせっかい・でしゃばり・繊細な愛』
    ジンジャー、その花言葉は『豊かな心・慕われる愛』
    赤のハイビスカス、その花言葉は『新しい恋』
    ブーゲンビリア、その花言葉は『情熱・魅力・貴方しか見えない』


    「どうです?貴方にぴったりな花言葉が沢山あったでしょ?」

    花ひとつひとつに意味があった事に驚きだが、確かに当てはまるものもあった。

    「ここの飾りたちはですね、ナワーブ、全部貴方が産まれた日の物たちなんですよ」
    貴方が産まれた7月23日の誕生日花、石、酒、色。
    それらを集めて作った茶会席なんです、と

    「……俺の誕生日の」

    意味があるとは思っていたが、まさか全部に意味があるとは思っていなかった。
    こうゆう所は本当に紳士のそれだな、と心の中で呟く。

    「因みに、パパラチアサファイアなのですが、この石は希少価値が極めて高く、幻の石とまで言われているみたいですよ」

    そんなに価値のある物、よく手に入ったな。
    荘園主様々ですね。
    等と会話をしていたが、おもむろにおろされ、そして花の飾られた小さな箱を差し出してきた。

    「これは?」

    「先程教えたでしょう?花はブーゲンビリアです」
    ブーゲンビリアの花言葉は『貴方しか見えない』
    思い出して顔を紅くするナワーブ。

    「そして、箱の中の石はパパラチアサファイアです」
    そう言いながら箱を開けるリッパー。
    中には指輪が入っていた。

    「この石は幻の石。私にとって貴方とゆう存在はそのくらい価値あるのもなのですよ」

    ただただ殺人衝動の為だけに人を愛するフリをして、この手で芸術品に仕上げてきた過去の自分。
    相手が自分に惹かれ、溺れ、堕ちれば堕ちる程、その赤く滴る血は美しく見えた。
    恐怖と絶望に満ちた表情は堪らなく愛おしく思えた。

    しかし、この荘園に来て
    ナワーブ・サベダーとゆう人間に出会って、生まれて初めて自分から恋をした。
    その滴る美しい血を見たいとも思ってるが、それ以上に君を手離したくない、そばに居たい、もっと触れて、感じて、同じ時間(トキ)を隣で歩んで生きて行きたい、と思ってしまった。

    そんな人間が現れるなんて思って無かった。
    自分は一生、この身が地獄に落ちるまで人を心の底から愛するとゆことを理解出来ないものだと思っていた。

    だから

    「だから、私にとって幻の存在。たった一人の、この世界で最も大切で愛しい人。それが貴方なのですよ、ナワーブ・サベダー」

    そう言って指輪を嵌める。
    勿論、左の薬指に。

    急な愛の告白と行動にしどろもどろになるナワーブ。
    こんな風に思ってくれていたなんて。
    普段の殺人鬼からは想像つくまい。
    勿論、女子サバイバーには基本紳士的な態度や言葉を投げかけている。
    男サバイバーは時と場合によるが。

    それでも、声音や雰囲気、なりより行動全てで他者とは違う特別感を示してくれている。

    そう思うと、胸が、心が温かくなる。
    戦場で死と隣り合わせで生きていた時には味わう事の無かった感情が溢れてくる。

    涙が出そうになるのをグッと堪え、飛び切りの笑顔を見せる。

    「〜っ…ありがとう、ジャック」

    あぁ……この笑顔を、いつまでも眺めていたい。
    護っていきたい。
    この好意がずっと自分にだけ向けられてて欲しい。
    その声でもっと名前を呼んで欲しい。
    その為の努力は惜しくはない。
    やっと、そう思える相手に出会えた。

    改めて己の気持ちを確認したリッパーは、ナワーブの前に立ち、そして片膝をつき、左手をとり、指輪に口付けしながら

    「愛していますよ、私のナヴィ。これからもずっと隣にいてくださいね?」

    「お前こそ、俺の前から消えたら許さないからな?ジャック」

    「この身に誓って……
    さて、貴方の為に料理も作ってきたので食べましょうか」

    持ってきたワゴンの中にはケーキや肉料理があった。
    用意されたケーキや肉料理はナワーブの好みの味がした。
    おそらく、手作りなのだろう。
    この味を知ってるのはジャックだけだ。

    「美味い」
    「ふふ、お口に合って良かったです」

    テーブルの上の花瓶には三本の薔薇が活けてあった。
    黄色、茶色、ダークピンク。
    あまり見かけない色の薔薇も飾ってあった。

    「んー……やはり薔薇は赤が一番ですね」

    そう言ってジャックはおめかしで胸ポケットに挿してた赤い薔薇を花瓶に挿した。

    「ジャック、その薔薇にも何か意味があるのか?」

    口いっぱいに肉を頬張ってまるで栗鼠みたいだ。
    ナワーブの口に付いたソースを指でとり舐める。

    「……ふふ、それは秘密です」



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