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    #マイ春
    mySpring

    7月27日テーブルに向かい合い、他愛もない話をしながら二人で夕飯を食べた。食べ終わると皿を下げてくれた春千夜に礼を言い、満腹感にぼんやりしているとキッチンから戻ってくる。その手には盆が持たれており、不思議に思いながら見ていると自分の前にグラスが置かれた。氷の入ったそれは茶色い液体で満たされており、一瞬麦茶かと思ったがどうも違う。キレイな飴色は宝石のようにきらきらと輝いていて、茶葉のいい香りが鼻につく。
    これアイスティーだ。
    暑い時最高だよなと考えていたら、もう一つ平皿が置かれた。そこにはショートケーキが載っていて、それまでだれていたのが嘘のように身を乗り出すと目を輝かせる。
    「ケーキだ!!」
    子供のようにはしゃいでいるとくすっと笑みが零れて、同じように自分の席にグラスと平皿を置く春千夜に嬉々として声をかける。
    「食っていい?」
    「どうぞ。」
    いそいそとフォークを手にし、三角の先端を掬う。口に運ぶとふわふわのスポンジと甘い生クリームが口の中に広がって、自然顔が綻んでいく。
    「ん〜♡」
    ショートケーキって、なんでこんな旨いんだろ。
    またフォークを入れて食べると今度はそこに苺が加わり、甘くなった口の中を程よい酸味が中和してくれる。
    上手く考えられてるよな。これ作った奴天才。無限に食える。
    名も知らぬ人物に賞賛を送りながら夢中で食べ進めると、あっという間になくなってしまった。
    「はー。うまかった。」
    フォークを皿に置いてグラスを煽ると、冷たい紅茶が胃に落ちていく。ケーキに合わせて入れられたストレートティー。少し苦いが茶葉本来の旨みが感じられるし、油分でべたついた口の中をさっぱりと洗い流してくれる。半分位飲み干すと満足気に息を吐き、またイスに凭れかかって満腹になった腹を撫でさすった。
    ……けど、何でケーキ?
    食べておいて今更な疑問だが、唐突にそう思う。
    単純に食後のデザートか。それとも何かの記念日?今日ってなんかあったっけ?
    春千夜の誕生日は終わったし、オレのはまだだし。
    手を止めて首を傾げていると、ケーキを食べていた春千夜の手が止まり顔が上げられる。
    「今日は、マイキーとオレの真ん中バースデーだよ。」
    言われてから、そういえばそんなものもあったなと思い出す。
    今日がそうなのか。それにしてもこいつ、たまに女子みたいなとこあるよな。
    女顔で睫毛も長く、特に髪を伸ばすようになってからは本当に女に間違えられることもしばしば。そしてその度にキレていた。
    「女みたいって思ってんだろ。」
    「え。あー。まあ、うん。」
    じっと見ていたら反対にじとっと見られて、思考を読まれたのか図星を指されてしまう。上手く取り繕うこともできず正直に吐くと、明らかに不機嫌な表情になる。
    「ごめんって。」
    「別にいいけど。」
    失敗したなと頭を掻きながらどうしたものかと考えていると、ぼそっと声がした。
    「マイキーとの記念日。大事にしたいんだもん。」
    「っ」
    健気で一途な言葉。なんでこいつはいつも──
    「もんとか言うなよ。」
    くすっと笑うとバカにされたと思ったのか。子供のように頬を膨らました姿を愛しげに見つめる。
    「かわいすぎ。」
    「っ…」
    かあっと顔を赤くし困ったように目を伏せる姿に目を細め、手を伸ばすとその頬に触れた。
    「オレも。大事にする。」
    「マイキー…」
    顔を近づけると、どちらからともなく口づける。それは甘いショートケーキの味がした。
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    izayoi601

    DONE思いついたので一人飯するじょしょどのの話。台詞などでも西涼二直の中ではじょしょどのが一番食事好きな方かなと妄想…脳内で色々分析しながら食べてたら良いです…後半は若も。庶岱と超法前提ですがもし宜しければ。ちなみに去年の流星での超法ネップリと同じ店です。
    早朝、一人飯「これは、まずいな……」
     冷蔵庫の中身が、何も無いとは。すでに正月は過ぎたと言うのに、買い出しもしなかった自らが悪いのも解っている。空のビール缶を転がし、どうも働かない頭を抱えつつダウンを着るしかない。朝焼けの陽が差し込む中、木枯らしが吹き付け腕を押さえた。酒だけで腹は膨れないのだから、仕方無い。何か口に入れたい、開いてる店を探そう。
    「……あ」
    良かった、灯りがある。丁度食べたかったところと暖簾を潜れば、二日酔い気味の耳には活気があり過ぎる店員の声で後退りしかけても空腹には代えがたい。味噌か、塩も捨てがたいな。食券機の前で暫く迷いつつ、何とかボタンを押した。この様な時、一人だと少々困る。何時もならと考えてしまう頭を振り、カウンターへと腰掛けた。意外と人が多いな、初めての店だけれど期待出来そうかな。数分後、湯気を掻き分け置かれた丼に視線を奪われた。
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