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    満尾。

    @1fu410ge1

    呪術廻戦 伏黒×狗巻(伏棘)のカプ小説置き場

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    POIPOI 21

    満尾。

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    #伏棘版ワンウィークドロライ
    第58回「いただきます」第59回「リボン」お借り致しました!伏棘オメガバースです!
    前半悠仁目線
    →中盤(回想)伏黒目線
    →後半棘目線です。
    🐺🍙に巻き込まれ🐯。

    (続き)深淵の緑 下
    https://poipiku.com/4725366/6886913.html
    R18パートです🙌

    #伏棘
    voluptuous

    深淵の緑 上『爆ぜろ!!』

    呪霊の大群が、バスン!と大きな音を立てて一斉に爆ぜた。
    狗巻先輩の呪言の効果だ。俺は先輩に指示されて、工場中に広がった呪霊をかき集めて、走り回った。
    もう呪霊の気配はしない。全て排除できたようだ。

    「よっし!いっちょあがり!!先輩お疲れ様!」
    「だがなー。」
    「わ、先輩喉枯れてんね、大丈夫?」
    「じゃげじゃげ。」

    先輩はポケットからノドナオールを取り出す。
    キュポ、と開けて、そのまま容器を口につけてゴクリと飲み干した。

    「うわぁ、相変わらずだけど…よくそれ飲めるね、先輩。」
    「しゃーけ。」

    そう言って先輩はピースして俺に笑った。
    もう味に慣れたからなんともないよ、と言ってるようだった。
    先輩とそんな話をしていたら、帳が上がって、すぐ近くには伊地知さんがいた。

    「狗巻くん、虎杖くん、任務お疲れ様です。」
    「伊地知さん!ばっちりだったよ。」
    「しゃけ!」
    「良かったです。虎杖くん、伏黒くんの変わり本当にありがとうございます。今回はとても助かりました。」
    「いやいや全然!俺はいいけど…先輩は残念だったね。せっかく伏黒と一緒だったのに。」
    「お、おかかっ…!!」
    「またまたぁそんなこと言って!」

    なんて先輩を茶化していたら伊地知さんに車に乗るように催促される。
    先輩と一緒に、伊地知さんの運転する車の後部座席に乗り込んだ。








    「先輩、この後用事なんかある?」
    「?おかか、」
    「無いんだったらさ、今から俺の部屋でゲームしない?新作ゲーム買ったんだよね。先輩、伏黒が帰ってくるの待つでしょ?」
    「しゃけ!!」

    先輩は目をキラキラさせて頷いた。
    伏黒と先輩は付き合っているのは、みんな周知していることだった。なんでも運命の番とかなんとか。
    まぁ、俺はベータだし関係ないな。なんて思ったのが高専に入ってすぐの事。

    伏黒は急遽、五条先生に駆り出されて、早朝から任務でいなかった。夕方には帰ってくる予定だ。
    伏黒の部屋は俺の隣だし、帰って来るのがすぐ分かるから。そう思って気を利かせたつもりだったのだ。
    それがまさか、あんなことになるなんて。










    「?!先輩それずるい!!」
    「しゃけしゃけー」

    先輩は場外に落ちないように、頬を膨らませてふよふよ浮かぶピンク色のキャラクターを使っていた。
    対して俺は、王冠の形をした剣を持つ少年のキャラクター。
    何回も場外に飛ばしているのに、ちっとも落ちてくれない。
    気づけば自分のメーターは200%を超えていて、1回でも強い攻撃を受けたら負けてしまう状況だった。

    「めんたいこ!!!」
    「ーー!!!?」

    ドンッ、とモーションが入って、キャラクターがアップになる。負け確の演出が入ってまた敗北してしまった。これで何回目だろうか。

    「ツナツナー!」
    「はぁ、先輩強すぎ…全然勝てんわ…俺ちょっとトイレ行ってくる…」
    「たっかなー、」

    行ってらっしゃい、と先輩に見送られて俺は立ち上がった。

    トイレに入る前にふと時計を見る。時刻はあと数分で17時を回るところだった。

    (そろそろ伏黒帰ってくるかな、)

    そう頭の片隅で考えながらパタン、とトイレに入った。








    トイレに入ったら急に来た便意に逆らえず、俺は少し長めにトイレに入っていた。

    次は何のキャラクター使おうかなー、なんて呑気に考えながらトイレの扉を開ける。
    突然、ぶわり、と甘い香りが鼻をくすぐった。

    「は?!え、なに…?」

    初めて嗅いだ香りに心臓がバクバクと跳ねる。
    香水みたいな、お菓子みたいな、よく分からない。とにかく甘い匂い。
    俺は自然と匂いのする方向に足を進めていた。

    「あ……ゆー、じ…?」
    「先輩?!」

    自室に戻ると先輩が顔を真っ赤にして倒れているではないか。
    慌てて、先輩を抱き上げると、ぶわりと広がる甘い匂い。
    明らかに、先輩からこの匂いは香っていた。
    思い当たる節は一つだけ。オメガが発情期になるとフェロモンの香りがすると、小、中学校で習った浅い知識を絞り出す。

    「え、え…?なんで…」

    先輩は伏黒と運命の番だったはずだ。
    番になれば、本人達にしかフェロモンの匂いは分からない、はず。
    ではなぜ、今自分は先輩のフェロモンに充てられているのだろうか。

    「先輩、ごめん、ジッパー下ろすね、」
    「お、おか、かぁ…」

    先輩は少し抵抗する。でも確認しなければ、何故かそんな衝動に駆られた。
    口元のジッパーを下まで完全に下ろす。
    ノドナオールを飲んでいた時にはちゃんと見えていなかった。
    黒革の首輪が、先輩の白い首に目立つように装着されていた。

    「なに、これ、」

    よく見ると、首輪の調節金具のところに深緑のリボンが小さく配われていた。
    その色は、もしかして、あいつの、

    「虎杖、」

    ゾクリと背筋が凍った。
    声をかけられた直後、胸ぐらを掴まれて、床にダンッ!と押さえつけられる。
    伏黒が真後ろにいたのに全然気づくことが出来なかった。

    「あ、え、ふ、ふしぐろ、おかえ…」
    「今お前先輩になにした?」
    「な、なにも、なにもしてねぇよ、ほんとに、」
    「嘘付くんじゃねぇよ。」

    床に押さえつけられた拍子に打った後頭部が痛い。
    いやそれよりも、目の前にいる伏黒の圧が恐ろしい。全身で目の前にいる伏黒が怖いと感じた。
    やばい、キレてる、というか誤解してる、

    「先輩が部屋にいないと思って自室に帰って見ればフェロモンの匂いがするし、けれどそれが虎杖の部屋からして。お前が先輩を部屋に連れ込んだのか?返答次第で殺す。」
    「ちが、違うって!!先輩は伏黒が帰って来るまで俺とゲームしてただけだって!!な!テレビがゲーム画面になってるでしょ?!コントローラーだって2つ用意して」
    「そんなんどうとでもできるよな?お前、俺と先輩が番だって知ってて、最低だな。」
    「はぁ?!じゃあなんで伏黒と先輩が番なのに、先輩のフェロモンが俺にまで分かるんだよ?!それにあの首輪!!なに?!俺なんにも分かんねぇよ!!」
    「…それは、」

    伏黒が言葉を続けようとしたら、ぎゅう、と先輩が伏黒の手を握った。
    伏黒は少し我に返ったのか、俺の胸ぐらから手を離す。

    「…ゆー、じ、おかか…めんたいこ…たかな…」
    「せ、先輩、なんて…?」
    「……"悠仁は悪くない、俺の発情期のタイミングがズレたみたい"…だとよ。」
    「な?!先輩もこう言ってるし、俺は悪くないんだって!!トイレから帰ってきたら、先輩が倒れてて…」
    「もういい、分かった。」

    伏黒はそう言うと、俺から離れる。
    「閉めますね、」と先輩に声をかけて、口元のジッパーを上げた。

    「…首輪のことは、説明しなかった俺が悪い。…そのうち、話す。」
    「お、おう…分かった…」

    先輩が世話になったな、と伏黒は呟く。
    先輩を抱き上げて俺の部屋を後にした。

    「…っはぁー、びびったー」

    あれがアルファ…俺はアルファという存在が身近にいなかったから分からなかったけど、高専に来てからは、伏黒と真希さんと五条先生しか知らない。
    自分のオメガが危ぶまれたら、アルファはあんなに激怒するのか。
    …それとも伏黒が過度に反応していただけか、真相は分からない。
    さっきの怒りに満ちた伏黒を思い出して、また背筋が震えた。
    先輩が止めてくれなかったら本当にあのまま殺されていたのかもしれない。それくらいさっきは危なかった。

    「もう先輩と2人で遊ぶとか無理じゃん…」

    ゲームをノリノリで遊んでくれる人はパンダ先輩と狗巻先輩しか知らない。
    今後は狗巻先輩と遊ぶ時は必ずと言っても伏黒が一緒にいるだろう。
    まぁ、別に、それでもいいけれど。また突然先輩がああなってしまったら、なんとかできるのは伏黒だけだ。

    「あれ、そういえば部屋の鍵閉まってたよな…なんで伏黒入ってこられたんだ…?」

    ふと思い出し、部屋の玄関の鍵を見ると見事にぶっ壊れていた。

    「鍵壊したんか、あいつ………」

    俺の声は虚しく部屋に響いた。










    「先輩、これ、受け取って欲しいんですけど、」
    「いくら?」

    なぁに?と先輩は不思議そうな顔をしながら、綺麗に梱包された包みを開ける。
    中には黒革の首輪が入っている。
    開けた後、先輩はびっくりした様子で俺と首輪を交互に見た。

    「めんたいこ…」

    恵こんな趣味あったんだ…と少し引いた顔をされた。
    失礼な、それはあんたの為だよ。

    「違いますよ、これは自衛の為です。」
    「すじこ?」
    「そう。俺と先輩は運命の番ですけど、まだ学生だからって、ちゃんと番になるのは高専を卒業してからにしようって言ったじゃないですか。」
    「しゃけ。」
    「だからこの首輪です。俺以外のやつに首筋を噛まれない為に。」
    「おかか…」
    「先輩が強いのは分かってます。でも正直、タイミングがズレて発情期になってしまったら?そしてその場に俺がいなかったら?…考えただけでもゾッとします。」
    「たかな、」
    「苦しいかもしれないですけど、きっと慣れますよ。それにほら、このリボン…なんでこの色か分かります?」

    勘のいい先輩なら、分かりますよね?
    先輩はリボンを見つめると、次第に顔を赤く染めた。

    「すじこいくらツナマヨ」
    恵のむっつり、嬉しい、ありがとう
    「…むっつりは余計です。」
    「ふふ、しゃけ、ツナマヨ。めんたいこ。」
    これ、なんだか婚約指輪みたい。俺は恵に予約されてます、みたいな。
    「…きっとそう捉えてくれるのは先輩だけですよ。」

    もちろん先輩が俺以外に噛まれないように、というのが1番の理由だ。
    実はこれにはもうひとつ理由がある。

    それは、先輩を抱いている時に、俺が項を噛んでしまわないようにする為。












    恵に抱き上げられて、悠仁の部屋を出ると、恵は自室とは反対方向に歩いていった。

    「…はっ、ぅ…つ、なぁ?」
    部屋に行かないの?
    「は?なに言ってんですか。さっきまで虎杖に襲われそうになってたのに呑気に俺の部屋に行くと思ったんですか?あんた馬鹿でしょ。」
    「お、かか…!」
    馬鹿じゃない…!

    なんだよ、じゃあどこに行くんだよ。早くこの熱を恵に治めて欲しいのに。

    「…うー、めぐ、…欲し…」

    汗で濡れた額を恵の肩に擦り付ける。
    俺の大好きな恵の匂いだ、すん、と恵にバレないように匂いを嗅いだ。
    恵、早く、早く。

    「…煽んなよ、あんたの部屋に向かってるんですから。」

    もう少し辛抱してください、と恵の声が微かに震える。
    多分、匂い嗅いだのバレた。でももうバレてもいいや、とにかく恵が欲しい。
    チラリと恵を盗み見ると、赤みを帯びた顔、顬から伝う汗。眉間にシワを寄せる恵の顔に釘付けになった。

    あぁ、早くこの男に喰われたい。

    「今日パンダ先輩留守でしたよね?」
    「ん…しゃけ、」
    「じゃあ大きな声で喘いでも気づかれないですね。」
    「ぅ、ん、」

    恵が俺の耳元で囁く。
    じゅわ、と下半身が濡れた感覚がした。

    「…着きましたよ、ほら、鍵出して。」
    「あ、ふっ、つな、」

    震える手でポケットから鍵を出して、恵に渡す。
    恵は受け取ると、かちゃん、と鍵を開けて部屋に入った。

    「あ…」
    「どうしました?」
    「こんぶ、めんたいこ…」
    悠仁の部屋に靴置いてきちゃった、

    部屋の床に下ろされてふと思い出した。
    あの靴で任務とか行くのに、どうしよう、

    「…他の男のこと考える余裕があんなら俺に集中してください。」
    「ん、あっ、」

    口元のジッパーを下ろされて、かぶりつくようなキスをされた。あっという間に腰が抜ける。
    まだ玄関先だというのに、その場に押し倒されてしまった。

    「め、ぐみ、…ぁ、ベッ…」
    「ベッドに行く余裕なんかねぇよ。今すぐここであんたを喰う。」

    ドキュン、と胸が締め付けられる。
    あ、ダメだ、今軽くイッてしまった。
    きっともう下着は使い物にならない。

    「首輪、やっぱり付けて正解でしたね。」

    そう呟くと、首輪の金具部分に付いていた小さなリボンをシュルリと解かれた。
    リボンは深淵のような深い緑色。それは、恵の瞳と同じ色をしていて。
    俺に見せつけるようにそれにキスを落とすと、ガリ、と犬歯で噛んでリボンを少し傷つけた。

    早く、早く、そのリボンみたいに酷くしていいから。俺を喰って欲しい。

    「…つな、つなぁ…!!」
    「心配しなくても、ちゃんと食べてあげますよ。」

    恵は恍惚な表情を浮かべながら「いただきます、」と呟いて、俺の耳朶に噛み付いた。








    (続き)→深淵の緑 下
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