ヒプマイ 周りは派手な装飾がされた店ばかり。ホストなんて、何故私は此処にきてしまったのだろうー
遡ること1週間前、職場の先輩、花園 秀華さんに言われたことだった
「🌸ちゃんさ、ホストとか興味ある?」
「え?…あー…す、少し?」
「じゃあさ!一緒に行こう、ホスト!よく行っているお店があるからさ!」
私は秀華さんの押しに弱い。今回のことも断って安心安全な生活をしようと思っていたのに。どうしよう、どうしよう、と考えているうちに当日、つまり今日がきた。きて欲しくなかったのに。
「🌸ちゃん、大丈夫?体調悪い?」
「い、いえ!こんなところ初めて来るのでびっくりしちゃって。」
「そう?まぁ、喜んでもらえてよかったよ!ささ、行こう。目的のお店はもうすぐだから!」
うきうきで歩いて行く秀華さんについて行く。少し歩いてみてわかったが、こんなところ私が来る場所ではない。周りに歩いている人達は皆おしゃれで綺麗な人ばかりだ。
「此処だよ!🌸ちゃん。綺麗なところでしょう!」
私から見たら辺り全部が綺麗に見えますよ。そう言いたいのを抑え店についている看板を見てみると、『fragrance』と書いてある。こういうところは何もかも綺麗だったりおしゃれなのか。突っ立っている私の手を引っ張って秀華さんは店の中に入って行く。
「いらっしゃいませ。花園様。そちらは…」
「会社の後輩。初めてだからよろしくね。VIPルームでお願い。」
VIPということは秀華さんは多分すごいと思う。もう何も考えれなくなってきた。必死に秀華さんについて歩いているとタブレットを渡された。そこにはホストの顔写真が沢山載っていた。
「そこから一人好きなホスト選んでいいよ!」
「…それじゃあ、この人でお願いします。」
私が選んだのは伊奘冉さん。確か、ラップバトルに出ていた気がする。それを聞いた秀華さんはあと2人ほどヘルプを付けた。どうやら、伊奘冉さんは秀華さんが永久指名というものをしているらしい。色々考えながら歩いているとVIPルームに着いた。
「凄いですね。此処。」
「喜んでもらえてよかったよ!楽しみなね!」
「お待たせしました。花園様、🎀様。」
声のした方を向くとそこには金髪の身長は175㎝は超えているであろう男性、伊奘冉 一二三さんがいた。伊奘冉さんは周りにいるホスト達よりダントツで綺麗で美しかった。これが一目惚れというやつか。