ばみロミ「絵札良すぎる〜!!!」「……ちょっと、あんた!?
真昼間から堂々とサボって、こんなところでお昼寝とはいいご身分だねぇ!?」
麗らかな日差しをあびまどろんでいた大我の上に罵声と同時に陰が落ちる。
綺麗に整えられた芝の上で目を閉じていた大我はその剣幕に目を開けた。
視線の先に見知った顔を確認すると、少しだけ楽しそうに口角をあげる。
「ルル〜、なんだよ?
あんまり遅いから寝ちまっただろ」
「はぁ?!
どうして俺があんたみたいなB・T・H!
わざわざ迎えに行くことが前提になってんだい!?
そんな手間かけるわけないだろ!?」
気だるげに応える大我にロミオは怒鳴る声を大きくした。
ただでさえやることが山積みなのに、その上こんな手間をかけさせられるなんて、当然納得できなかった。
「……でも、来たじゃん?
いま、こうして」
「別に俺は来たくてきたわけじゃ……あんたがいないと回らない業務だけになったから、こうして探して……ッ!!」
「結局、来た。
違うか?」
言葉を遮り大我は自慢げに目を細めた。
今目の前にある事実だけを噛み締めるように。
ロミオは一瞬言葉に詰まり、悔しさのにじむ眼差しで大我を見ると深くため息を吐いた。
「……馬鹿馬鹿しい。
つまんないこと言ってないで、さっさと帰る……」
大我を引っ張り起こそうと近寄ったロミオは、いまさらながら足元にちらばったガラクタや食べかけのファーストフードに気がついた。
相当な時間ここで時間を潰していたのは明白で、今更ながら先ほどの発言に向かっ腹がたった。
仕掛けられた罠にハマったような。
計らずして、誘いにのってしまったのだ。
怒りの衝動のまま、大我の腕を掴むと引っ張り起こそうとする。
「……ちょっと!?なにッ!?」
その腕を逆に掴まれ、強く引かれた。
気がつくと芝生の上に膝をつき、大我のほうに身を寄せていた。
「なぁ、そんな焦んなくてもよくね?
ちょっと上見てみろよ」
大我は逆の手で空を指さす。
そのまま視線を上にむけると、抜けるように高い秋晴れの空だった。
視界の端に薄く雲があるのみの一面の青。
見ているとどこまでも吸い込まれそうな深みのある掴みどころのない空色だった。
一瞬言葉をなくしているロミオをみて、大我はイタズラが最高したように笑いかける。
「な、綺麗だろ?
綺麗だって思った時、ルルに見せたくなった」
珍しく浮ついた感じのないはっきりとした物言いに、ロミオはじっと大我を見た。
そこに今はない何かを見たような気がして。
「……」
何かを言おうと口をひらくも声になる前に、大我はいつもの調子で軽薄に笑う。
「いつも仕事仕事って、あんなとこにこもって、キレてっとキレイな顔に皺がよるぜ」
「よ、余計なお世話だよ!!
だいたいねぇ、こんな野外にまともなUV対策もせずにいる方がよっぽど美容に悪いってことわかんないわけ!?」
勢いよく立ち上がると起き上がる気配のない大我を無理やり立たせる。
「あー、そんな怒んなくてもよくねぇ?」
「時間は限られてんだよ!
本当ッ、D・K・S!!」
大我に任せた方が時間がかかると判断し、散らばるものを一つにまとめ、大我に押し付けると来た道の方に向き直る。
「なぁ!耳はいてぇって!耳ひっぱんのは、まじでいてぇ」
「さっさとついてきなッ!!
遅れないようについてこればいいだろ?!」
「あ〝ーーー」