バニーと催眠とモブはミミミ向け豪華三点セット(……お仕事とはいえ……こんな…格好……)
マヨイは自分が身につけた衣装を鏡の前で確認して、今すぐ消えたい気持ちになっていた。
際どい部分しか隠していない黒のエナメルの紐パンに同じ素材のサスペンダーがついている。
下着は陰茎しか覆っておらず後ろ側は紐しかなく何も隠していない。
肉の少ない細身の身体に纏うと骨で浮いて密着度が低く、余計に不安になった。
頭には黒いウサギの耳がついており、いわゆるバニーボーイの格好と言えるのだろうが、こんな格好で表を歩けば確実に捕まってしまう。
今から行われることのためだけの衣装、と思うと不安と恐怖で胸がぎゅっと締め付けられた。
枕営業の依頼が来ることはあったが、いままで幸か不幸かマヨイが受けたことはなかった。
それでもどうしてもと懇願され、衣装を着て身体を触られるだけだからと言われ承知した。
一応、交際相手がいる今、性交だけは嫌だったが、それでも断れない理由があったからここにいる。
(触られるだけであれば……医療行為と同じと……思えば……)
言い訳にもならないようなことを考えながら、部屋の扉をあけるとそこには5人ほどの男がいた。
年齢は40代後半だろうか、身なりもガタイも良い人たちだ。
「あ…ッ、よ、よろしく…おねがいしまぁす……」
こんな頼りない格好を舐めるように上から下に見られて、いますぐ消えたくなったが、これも仕事だと言い聞かせて、なんとかその場に止まった。
「いつもテレビで見てるよォ。
綺麗な顔してるねぇ、座って座って」
流れるようにソファに座らされ、両端を男たちが囲んだ。
自分よりも体格がいい大人たちに囲まれ、無遠慮に脚や腹といった外に出ている肌を撫でられる。
「若いから肌にハリがあるねぇ。
すべすべで気持ちいい」
「もっと食べなきゃダメだよォ。
おじさんの半分くらいしかないぞ」
(……ひぃいッ、きもち……わるい……ッ!!)
太い指が遠慮なく触れてくる場所は本来であれば他人が触れることを躊躇するような場所だ。
それを遠慮なく撫で回され、さらにあわよくば性感帯を撫でられる。
さっきから嫌悪感からくる鳥肌が止まらなかった。
仕事、仕事と言い聞かせて貼り付けたような笑みを浮かべているつもりだったが、すでに半分涙目になっていた。
「……つらい?
泣きそうだねェ?」
「い、いぇえ……そんなぁ……」
「大丈夫。
すぐにえっちなうさぎさんにしてあげるからねェ」
気づいたらマヨイのソファの背もたれの後ろに男がいて、マヨイの頭を掴み顔の角度を固定してきた。
(……は?
……え……っ?)
目の前にディスプレイが置かれ、視界が白飛びするような光と音で埋められる。
一度それを目で捉えてしまえれば最後で、流れる映像から目が離せない。
「……ぁ……」
チカチカと映像が頭の中に流れてくる。
色が音が思考を邪魔して……。
「……ぁ…ぇ……」
「瞳孔開いてきてる?
そろそろいいかな?」
マヨイの身体を隣で揺すってみて、覚醒時らしい反応がみられないことに男たちは下卑た笑いを浮かべた。
ぼうっと画面に釘図げになったままのマヨイの耳元でリーダー格の男が囁く。
「マヨイくんはいまからえっちなうさぎさんになるからね。
気持ちいいことが大好きだし、気持ちいいことがやめられない。
おじさんたちの命令には、疑問を挟めない。頭から信じ込む。
できるね?
はい、起きて!」
パンッと大きく手を叩く音がして、マヨイは瞬きをすることを思い出した。
「あ、あのぉ……私……!?」
何かが変わってしまったという違和感はあるのに、それが何かがわからない。
怖いと思うのと同時に肩を抱かれ、抱き寄せられた。
「……ひッ♡」
それだけのことなのに、ぞくぞくと背筋が甘く痺れた。
さっきまで嫌悪感でいっぱいだったはずなのに、いまは快楽による多幸感すらある。
(な、なぜぇ…!?)
「もう気持ちよくなってきちゃったァ?
人一倍効きやすい体質なのかもねェ?」
「えっ!?なんですか……ッ!?
やだッ!!
なんでぇ……!?……ぁッ♡……あッ♡♡♡……なんでぇ!?」
感極まった男に横から抱きつかれ、揉みくちゃにされる。
そんな雑な愛撫にすら、触られたところが正確に快感を拾い、目の前がぱちぱちと白く飛んだ。
「さ、触らないでくだ…さッ♡あ〝ッ♡♡……ッ♡へ…ッ♡ぁ…ッ♡♡♡気持ち…いいッ♡♡も、もっとぉ♡……ん〝ッ♡ち、ちが……ッ!?!
触らないでッ!?ん〝ッ♡♡あ〝ぁッ♡♡♡触ってぇ♡♡♡
やだ……ッ♡♡♡あ〝ッ♡♡
やめて……ッ♡おかしい…ですッ♡こんなのぉッ♡♡♡」
遊び半分で身体を触られるたび、びくびく反応してしまう。
おかしいと思うのに、頭の一部に霞がかかったみたいで正解に辿り着けない。
そのかわり、身体の奥からもっと♡もっと♡と欲求だけが湧き上がってきてどうにかなりそうだった。
「やッ♡あ〝ッ♡♡あ〝ッ♡♡♡あ〝ッ♡♡♡」
「皆さん、お戯れがすぎますぞ。
マヨイくんはしっぽもまだ付いてないんですよ。
ちゃんと最後の仕上げ、してあげなくては」
(なぜ……手足に枷を……ッ?
なんで……?私、吊られて……ッ?)
目前でおこなわれてることの意味が理解できない。
「マヨイくん、気持ちよすぎて逃げちゃうかもしれないからね。
これなら、どんだけ気持ちよくても安心だから」
「……そう……なの、です…ね?
ありがとうございます……?」
身体を動かそうとしたら、枷が音を鳴らして動きを制限する。
両腕を頭の上で金属の棒の両端についた手枷で拘束され、その位置を上にも下にも当然前にもいけないように黒いベルトもつかって拘束されていた。
脇も胸も晒され、腕や手で隠す退路が断たれていた。
両脚もM字に開かれ、秘部が晒された状態で天井から吊られていた。
恥ずかしいところを全部白日の元に出していて、何かおかしいと思うのに、むしろ自分のためにここまでしてくれてありがたいと感謝の気持ちすら湧いてきた。
(……全部……私のために……ここまで、してくださるなんて……ッ♡)
さっきからずっと身体の中が燃えるようで息づかいも荒くなってきていた。
(早く……ッ♡触って…ッ♡♡♡気持ちよくして…ッ♡
……??
どうして……私……ッ!?)
思考がまとまらない。
混乱するマヨイの前に、ふわふわの丸いファーの先にだんだんと太くなる球体が連なったものが見せつけられた。
ファーの色は、耳や衣装とお揃いの黒で、ボールは6個連なっている。
(……なに……?
……それ……?)
使ったことはなくても、使用方法が想像できるから、怖い。
怖いのに、腹の奥で気持ちよくなる方法を知ってるからこそ、それを見た瞬間から期待もまた止まらなくなっていた。
「マヨイくんッ♡
僕が立派なうさぎさんにしてあげるねッ♡」
やなさんのバニーちゃんのえっちぴくちゃー1枚目に続く