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    heppoko_hz55

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    世界AU隊戦闘総指揮補佐×戦闘総指揮の野営えろ話。……の書きかけ。まだえろまでも言っていない。焚火前えろ頑張るぞ!(炉さんと紅ちゃんが)
    ※捏造設定てんこ盛り。今のうち今のうち!!

    ##紺紅

    世界AU隊戦闘総指揮補佐×戦闘総指揮の野営えろ話(途中まで) パチ、と乾いた音をさせて薪が爆ぜる。見渡す限り広がる台地は荒れ、植物の一本も生えてはいない。満点の星空はなかなか見ごたえがあるが、自分たちがなぜここに来たのかを思うとそうそう楽しんでもいられない。
     ────否、正直に言えば楽しいのだ。
     白装束一味との戦いの結果、世界は一度黒い炎に焼かれ、そして再生した。生まれ変わった世界に戻ってきたときは、さしもの紅丸も「ここが地獄か」と錯覚したほどだ。それほどに、世界は変わっていた。
     人体発火現象と発火能力は消え、死者も亡者も入り乱れる世界。しかもとうに絶滅したはずの動植物が生命を持って堂々と存在している。
     それだけではない。
     『今まで存在し得なかった生物』が我が物顔で辺りを跋扈するようになったのだ。大蛇や竜といった大型の化け物たち。空想上での生物だったそれらはかたちを得て、ヒトの生活を脅かしている。ただ、化け物たちが居住する場所はヒトの住む区域から遠く離れたところにあるのが幸いだ。おかげで周りを壊さないようにといちいち配慮しなくてもいい。
     もっとも、ヒトの縄張りまで侵入していない生き物を討伐するのはどうかと思わなくもない。しかし発火能力を失って尚、闘争心を燻らせていた紅丸にとって『世界英雄隊』なるものに誘われたのは渡りに舟だった。



    「紅、眠いのか? 火の番は俺がしてるから寝てて構わねェぞ」
     焚火に細い薪を足した紺炉が促す声に、紅丸は我に返った。
    「あー……別に、眠くはねェ」
     隣を見やれば、焚火の色を頬に移した紺炉が微笑んでいる。大丈夫だ、と片手を振れば、紺炉は何も言わず湯呑みを手渡してきた。
    世界英雄隊の仕事で世界じゅうのあちこちに遠征するときでも、紺炉は湯呑みと緑茶の茶葉を必ず持参する。現地調達すればいいだろう、と以前言ってみたけれど「こればっかりは譲れねえ」と謎のこだわりを発揮されたので、もう気にしないことにした。まあ、化け物との戦いで疲れたときに癒されるのも事実だし。
     そんな経緯もあり、黙って湯呑みに口をつける。中身は濃く淹れた緑茶だった。ちらりと紺炉に目をやると、
    「眠気覚ましに丁度いいだろう」
     などと笑っている。
     先刻の返事を聞いていなかったのか。本当に眠くはないのだ。ただ、いろいろと考えてしまって。
     そう返してやりたいが、「いろいろ」が自分でも判然としていないから説明ができない。こんなぼんやりした回答で紺炉が納得するはずもないので、紅丸は黙って茶を啜った。
    「眠いなら寝てろ、紅。今のところ化け物の気配は感じねェから、一刻は寝れるだろうぜ」
     紅丸の無言を肯定と捉えたらしい紺炉が、隊服ズボンのポケットから懐中時計を取り出して時間を確認している。世界英雄隊の隊員に支給された揃いの懐中時計だ。世界を股にかける隊員──特に戦闘要員──は戦闘にかかった時間などを計測したり、集合や作戦開始の時刻を正確に共有する必要がある。そのため、結成当初全員に配られたのだ。紅丸は腕時計も懐中時計も、気になって動きづらいという理由で浅草の詰所に置きっぱなしにしている。そんな紅丸に代わって、補佐である紺炉がしっかり時間を把握し、ともすれば単独行動に出がちな紅丸をひそかに制御しているのは本人以外が知る事実だった。
     その、正確に時を刻む盤面をみつめる紺炉の姿に、紅丸は少しだけくちびるを尖らせた。そうして、湯呑みを地面に置くとじりじり紺炉ににじり寄る。
    「紺炉、お前ェよォ」
    「うおっ! どうした紅、やけに近いじゃねェか」
     今後の作戦を反芻していたのか、頬に吐息が触れるほど顔を近づけて話しかける。途端、驚きに目を見開いた紺炉が思いきりのけ反って、肩をつかんできた。すかさず紅丸はその手首をつかみ返す。
    「俺をそんなに寝かせてえのかよ。ガキじゃねェんだぞ」
    「ガキあつかいしたわけじゃねえ。紅は攻撃の要だからな、いつでも万全でいてほしいから休息を取ってもらいてェだけだ」
    「ふうん、『万全』ねェ……」
     紺炉の言葉の単語を拾い上げ、意味深に笑ってみせる。
     この言葉を待っていた。


    (つづく)
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    heppoko_hz55

    MAIKING世界AU隊戦闘総指揮補佐×戦闘総指揮の野営えろ話。……の書きかけ。まだえろまでも言っていない。焚火前えろ頑張るぞ!(炉さんと紅ちゃんが)
    ※捏造設定てんこ盛り。今のうち今のうち!!
    世界AU隊戦闘総指揮補佐×戦闘総指揮の野営えろ話(途中まで) パチ、と乾いた音をさせて薪が爆ぜる。見渡す限り広がる台地は荒れ、植物の一本も生えてはいない。満点の星空はなかなか見ごたえがあるが、自分たちがなぜここに来たのかを思うとそうそう楽しんでもいられない。
     ────否、正直に言えば楽しいのだ。
     白装束一味との戦いの結果、世界は一度黒い炎に焼かれ、そして再生した。生まれ変わった世界に戻ってきたときは、さしもの紅丸も「ここが地獄か」と錯覚したほどだ。それほどに、世界は変わっていた。
     人体発火現象と発火能力は消え、死者も亡者も入り乱れる世界。しかもとうに絶滅したはずの動植物が生命を持って堂々と存在している。
     それだけではない。
     『今まで存在し得なかった生物』が我が物顔で辺りを跋扈するようになったのだ。大蛇や竜といった大型の化け物たち。空想上での生物だったそれらはかたちを得て、ヒトの生活を脅かしている。ただ、化け物たちが居住する場所はヒトの住む区域から遠く離れたところにあるのが幸いだ。おかげで周りを壊さないようにといちいち配慮しなくてもいい。
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