「解く」本の中にはあえて書き込まなかったですが、ページごとなんとなく、
出勝のふたりの過ごす時期や季節、時間などのサブタイトルがあるところが多いです。

【Ｐ２】折寺中～雄英初期
一
勝視点です。興味がなければ無視すればいい、放っておけばいい、追いついてくるはずもないと思っているのならば、気にしなければいい。なのに気になるのは気にしているからだと、個人的には思うのです…という短歌。
二
これはもうほとんど一話での出久の言葉です。多少表現を変えただけ。
かっちゃんはかしこいから、僕が本気で飛びはしないとわかってて言ってるんだろうな…っていう、好いているわけじゃないけど、僕のことわかってるんだねっていう無自覚の気持ちが漏れ出ているんじゃないかな…という短歌です。

【ごくパ展示】触れるだけ「あちっ」
　ポップは焼き魚の熱さに思わず声を上げる。齧り付いた魚は焼きたてで熱々だった。
「ほら、気をつけないか」
　言いながらこちらを見てくるヒュンケルにポップはプイと顔を背けた。
「わかってら！」
　ポップはふうふうと息を吹きかけて魚を冷ます。今度こそ大丈夫だと思って齧り付けば、ふわりと柔らかい身と香ばしい味が口いっぱいに広がった。
　あたりはすっかり日が暮れて暗くなっている。いくつかの焚き火があたりを照らしていた。大人数でのキャンプは賑やかで、それぞれが思い思いに過ごしている。
　野宿なら旅の途中で何度もしたが、今は倒すべき魔王もいない。というか元魔王のハドラーもこのキャンプに参加している。アバン先生が結界を張っているから魔物に怯える心配もなかった。