自分になら、まあ、見せてもええけど発育が良い、と言われ育った。
そりゃまあよく食べよく動いてよく寝たら育つもんも育つやろ。
けど年頃──二次性徴を差し掛かるあたりからなんとなく違う意味を持ってこられるようになった。無遠慮な視線がよこされながら無視する。男子からはそれ、女子からは羨望か嫉妬。いや知らんねん自分の意志でこうやっとんのちゃうから。それを言うと余計ヒートアップしたらしく(今で言うところの炎上やな)、うんざりした。
胸の育ち方が顕著で、それ故に無遠慮な視線も羨望と嫉妬な視線もなくならず、なんなら視線に飽き足らず触れようとする輩も現れた。女は隙がある方がかわええとか言いよるけど、そういう輩に触られそうになったら隙があるからいかんと言われるのはどういった了見なんやろなとこれにもうんざりした。
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