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    Ruipon_train

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    プトオク

    ・クリプト視点

    言わないつもりだったのに《言わないつもりだったのに》


    今日も戦いを終えて俺とオクタンはウィットの店へやってきた。
    もう少しでハンマーバッジを手に入れれそうな所でやられてしまった事が相当悔しかったらしく、
    「おい、クリプト!今日空いてるか!?スカッとしてぇから一緒に呑もうぜ!!!!」
    と断る間もなく誘われた。

    いや、むしろ好都合だ。
    俺は今オクタンに好意を寄せている。
    勿論本人にはバレてはないだろうし、言うつもりもない。
    何故かナタリーにはバレてしまったがこの想いは胸に秘めておく。
    こんな野郎に好意を持たれても…オクタンには沢山のファンがいる。
    彼には彼らしく走って活躍して欲しい。
    そこに俺は必要ない、俺は伝えられずともこうしてたまに戦って共に入れることが嬉しいんだ。
    そう言い聞かせ続けてきた。そしてこれからも変わらない。

    「っはーッ!試合後の酒は美味いぜ!ウィット!もう一杯くれよ!」
    「それはいいが、、お前今日はやけ酒って感じだな、もう少し落ち着いたらどうだ?」
    「いーんだよッ、今日は酔いてえ気分なんだ!」

    物凄い勢いで酒を飲んでいくオクタン。
    いつものゴーグル等は外し、真っ赤になった素顔でウィットに酒をねだっていた。
    今日の試合の話をウィットとしながらオクタンは酒を進めていく、その隣で俺は見守るように少しずつ呑んでいた。

    ((髭…生えているんだな…あ、ホクロ…))

    幾度か見た事のある素顔のはずが、じっと観察してしまう。
    短く生えたひげ、顔にあるほくろ、黄緑色の髪は柔らかそうに跳ねていて後頭部から刈り上げが動く度に見えた。

    「…い、おい、クリプト!」
    「っ!?!?な、なんだ急に」
    「ずっと呼んでたぜ、何ぼーっとしてたんだまるで見惚れてるような目だったぜ〜?クリプちゃんよォ〜!」

    ウィットがニヤついた顔で俺を見る。
    俺は別に見惚れてなんて……

    「そんなことより、コイツ連れて帰ってくれ。言わんこっちゃねぇ、潰れてやがる」

    ウィットが指した方を見るとオクタンが耳まで真っ赤にして寝ていた。
    強めの酒を5~6杯呑んでいたからな…疲れもあって寝てしまったのだろう…。
    仕方ない、連れて帰……………そういえば、俺はオクタンの家を知らない…どこへ……。

    「早く持って帰ってくれ店が閉めれない」
    「嗚呼、わかった。金はここへ置いておく、ご馳走様」
    「おう、また来いよ」


    結局、家を知らない俺はなんとかオクタンを自分の家へ連れてきた。
    やましい意味は無い、ただここで寝かせておけばいづれ良くなるだろう。
    オクタンの手荷物や服を取り、自身のベッドへ寝かせた。
    寝息が聞こえてくる枕元で俺はふとオクタンの寝顔を見た。
    見れば見る程、日頃のやんちゃさも寝顔を見れば幼く見えてくる。そして、愛おしく感じた。

    「………好きだ、オクタビオ」
    不意に出た言葉だった。
    自分の言葉にはっとしつつも、寝ているから気付かないだろうと思っていた。
    「何を言っているんだ俺は…寝る準備をしよう……」

    そう思い、ベッドから離れ部屋を出ようとした

    「今の、本気か?」

    「!?お、オクタンッ!?」
    寝ているはずのオクタンから突然話しかけられた
    まさか、聞かれていたのか!?

    「い、いつから起きていたんだ…?」
    「少し前、荷物を取っておいてもらった時くらいから」
    「な、何故起きたと言わなかったんだ…」
    「クリプトが離れないから、何かあるのかと思っただけだ、それより今のは本気なのか?あんなタイミングで冗談を言うとは思えねぇが?」

    しまった、慢心していた。
    フラフラと起き上がったオクタンは少しずつ俺へと近付いてきた。
    俺は動くことが出来ずに、ただこちらへ向かってくるオクタンを見るしかできなかった。
    しかし、オクタンがよろけた途端俺は彼を抱き留めた。

    「大丈夫か、オクタン!ねてい」
    「オクタビオって呼んでくれよ…」
    「えっ?」

    「さっき、そう呼んだだろ…オクタビオって呼んでくれよ」
    「お、オクタビオ?」
    顔は伏せていてよく分からないが、彼から弱々しく言われてしまいつい呼んでしまった。
    気分が悪いのか…?
    それもそうだろうな…酔ってる挙句こんなオッサンに好きだなんて言われてしまえば…。

    「すまなかった、オクタビオ。俺は、その」
    「俺も好きだ」

    思考が止まった。
    未だに顔は見えないが、よろけた際に捕まったオクタンの手が俺の服の裾を強く掴むのがわかった。

    「俺も、好きだクリプト。好き」

    俺を見上げたオクタビオの顔は、赤く染まっていて今にも泣きそうな目をしていた。
    裾を強く掴み離さず、全身を俺にぴたりとくっつけるように密着した。

    「クリプトは、好きなんだろ?俺の事、ちゃんと言ってくれよ不安になっちまうぜ…?」

    そう言われた途端、俺の中の何かが切れた。
    オクタビオの顔を両手で包み口付けをした。
    軽く何度も、音を立ててした。
    最初は驚いたオクタビオも、やがて俺の手に自身の手を重ね受け入れた。

    「んっ……ふぁっ……」
    オクタビオから漏れる吐息が聞こえる度に、歯止めが聞かなくなっていった。

    「んっ…はぁっ、オクタビオ。好きだ。愛してる。」
    「はぁっ、おれも、すき、、くりぷと…」

    オクタビオの顔はとろけ、どこかソワソワした姿だった。
    足を股の間へ入れると太ももから硬いものに当たった。
    「んぁっ、くりぷとぉっ…!」
    「こんなにして…嬉しいよオクタビオ。」

    「なあ、続きしたい…」
    そう言われてしまったら、
    「ああ、俺もしたい」
    こう答えるしかないだろう。

    そしてオクタビオを抱き抱え、ベッドに寝転がし服を脱ごうとした時
    「スゥーッ…スーッ………」
    寝息が聞こえてきた。ここで寝るか…!?

    「眠たかったんだろうな…それでも俺に応えてくれた………ありがとうオクタビオ」
    ふわふわとした頭を撫で、緊張から解放された俺もようやく眠気がやってきた。

    「おやすみ、愛してるぞオクタビオ。」
    額に口付けをして、隣で眠りについた。


    翌朝、ベッドの上で酔いが覚めた俺達は互いに真っ赤になりながら再度想いを伝え合い付き合う事になった。

    「つーか、寝ている間に言うなんで卑怯だぜクリプト〜!」
    「わ、悪かった…」

    元々、言わないつもりだったんだ。
    でも、こうして一緒になれた。
    今度は沢山伝えていく事にしようか。
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