足「今日はいい月夜だね、ジョン」
胸に抱いたジョンもご機嫌そうに鳴いている。
ー今日は賑やかな繁華街の方へ行こうかな。どうせ、あの五歳児もギルドで楽しんでいるだろう。久々に外食でもするかな。
そんなことを考えながら、閑静な住宅街から裏路地を抜けて行く。
辺りは飲食店や街灯で昼間のように明るい。
「今日は何にしようか、ジョン。昨日は魚料理だったから、肉料理はどうかな」
ジョンは嬉しそうに首を縦に振り、機嫌よく鼻歌を歌い始めた。
「もう、口が肉料理の口になったって?気が早いな、ジョンは。肉料理なら…唐揚げでも作ろうか」
ジョンの鼻歌を聴きながら、道を急いでいた時だった。
急に辺りが暗くなった。
街灯でも切れたのか、そう思いドラルクは上を見上げた。
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