■べろが好きな片想いすけちゃん。
いつもケンカばかり。
卒業後告白も出来ないまま、すけちゃんは我慢出来ず勢いでべろにキス。
何だこいつ…と眉を顰めながら視線を向けて来るべろは「一応聞くけど、何で?」「好きだから」「……そうかい」とそれだけ。
その後はたまにケンカしながらもべろ邸に遊びに行ったり、ふたりで出かけたり、何だかんだスキンシップが増えて、そのまま体の関係に…。
そんなべろにすけちゃんは何で?と思ったけど、言えない。
ずっとべろが好きだったから。
自分にはここで止める理由も、止めて欲しい理由もなくその関係は続き、やがて授かる。
改めて自分達の関係は何なのだろうか考えるすけちゃん。
自分は彼を好きだと言ったけど、べろから言われた事は一度もない。
そのことに不満を言った事もなければ、今も後悔はないし、べろとの赤ちゃんだと思うと嬉しくて嬉しくてたまらない。
ただ迷惑をかける訳にはいかないから、べろに後日その旨を話したら……「わかった」と一言。
仕事部屋を出て行く時、ドアを上手く開けられなかったのか顔面ぶつけていたべろに驚いたが、大丈夫?と聞くとうるさいと返される。
そして何度かなにかがぶつかる音がしつつ、三階から戻って来たべろの手には指輪。
その後届け完了。式。べろ邸への引っ越し。
あれよあれよと進んでいく状況に思わず「…何で?」ってべろに聞いてしまうと、さも当然とばかりに「愛してるから」と言うべろ。
はああああ?!何だそれ!じゃあ何で今まで好きって一度も言ってくれなかったんだと憤慨するすけちゃんに、負けじとべろが叫ぶ。
「ぼくのファーストキス奪った責任を、一生かけて取ってもらうからな」
■どんな世界線でもすけちゃんと生まれて来る子の為に、②階の部屋を防音室に改装するべろが王道。
■すけちゃんから好意を寄せられている事には気が付いていたけど、好感もマイナスで真面目に相手をするのも面倒だなと思っていたべろ。
吉良戦後ボロボロで傷だらけのすけちゃんを見て、れーみおねえちゃんを思い出す。
『吉良に傷つけられた少女』っていうのに、それはもう激しく動揺して欲しい。
放っておいたらこいつは…とすけちゃんに対し加護欲がわいてしまい、退院後自分から初めてすけちゃんに声をかける。
でもそこには自分に向かって確かに笑いかけてはいるものの、これまでと違い一切の好意を感じれない。
寧ろ絶対にべろと会いたくないと拒絶の対応をされ続ける。
この少女はあの事件以来、明らかに変わった…しかもぼくだけに?
こいち君に話を聞いても、これまで通りのすけちゃんだという。つまり先の疑惑が確信に変わる。
すけちゃん的に吉良戦後の腹と太ももの傷、本人的には気にしていないけれど、べろが絡むと話は別。
どうしても気になって気になって、絶対にべろにだけは傷跡を見られたくない。
そもそも自分はべろに嫌われてるのに好きになって、だから頑張っては居たけど相手にもされてなかった。
その上でこの傷…やっぱり見られたくないからもうどう頑張っても先が夢見れない。
そう半ば自棄になってるから、べろと会っても適当に流す。
以前はあれだけ自分に対し『あんたが好きです』『あんたに恋してます』といったプラス感情を向けて来た少女が、あの日を境に真逆の何もない無の反応をされる。
以前と今のすけちゃんの姿が重ならない。
初めて知る、得体のしれない、これまで一度も体験したことのない、恋する少女の機微に本気でビビって欲しい。
■同じように身体だけの関係だった時も、吉良戦後はしなくなるすけちゃんがいい。
めちゃくちゃ冷めてるすけちゃんがいい。
それでも押し倒して傷を見て来るべろに、「あんた本当最低だよ…この変態やろう…」って言ってボロボロ泣いて欲しい。
■こどもは三人。