お助け妖精は電子に棲む〈4〉〘夢じゃないの?〙
何が起こっているのだろう?
これは夢?それとも現実?
目の前に居る羽の生えた女の子。
まるでアニメから出てきた様な…
自分を電子の妖精だという、この子は…
あり得ない。
こんな事が起こるはずない。
こんな時は…
「痛い!」
自分でつねってみた頬を押さえて、わたしは叫んだ。
「あんた、何しとるん?自分つねったらそりゃ痛いで、そんなあるあるみたいな事せんでも」
妖精"いあ”がわたしの顔を覗き込む。
「だって…こんなの…」
涙目になりながらわたしはそう返した。
少し強くつねりすぎた…
「言うとくけど夢と違うよ?何ならうちに触ってみ」
いあはそう言って、身体を突き出してきた。
恐る恐る、まだじんじんする頬を気にしながら手を伸ばす。指先に当たる感触にビクついて手を引っ込める。
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