Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    あんぶれら☂️

    @grbl6673

    ほぼRead only
    たまに自給自足

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 10

    あんぶれら☂️

    ☆quiet follow

    グレビリ練習。
    🧁視点。プラトニック。

    #グレビリ
    greebilli
    ##グレビリ

    ぼくの魔法使い今日は、目が覚めた瞬間から何故か胸がざわついていた。
    そういう時は大抵何事もうまくいかない日で、アカデミー時代はほぼ毎日のことだったけど、最近は滅多に無くなっていたのに。
    変な体勢で寝ていたのか体も強張っており、胸に溜まった重たい空気を吐き出す。
    少しでも気を持ち直せるものを探して部屋を見回すが、隣のベッドはすでに空で、どんな時でも元気をくれる彼の姿も見られない。
    ビリーくんはもう仕事に出ているのかな、というか今は何時なんだろう。
    いつの間にか床に落ちていたスマホを覗き込み、遅刻寸前の時間を指していることに驚愕する。
    しかも、悪いことに今日はアッ……シュと二人でパトロールの予定だ。
    遅れたらどんな目に遭うかかわからず、青褪めながら一気に覚醒してベッドから飛び起きる。
    勢い良く足を床に降ろした瞬間、ばきっ、という音と嫌な感触がした。
    「!!?……あぁ……っ」
    足の下では白い鳩の羽がひとつ、無惨に欠けて転がっている。
    どうしよう、と思うものの、時間的に拾い上げる余裕すらなく、泣きたい気持ちをなんとか抑えて準備を続けるしかなかった。


    お昼の休憩中、一人で公園の隅の石段に腰掛け、何度目かわからない溜め息を吐く。
    結局パトロールの開始時間には間に合わず、焦り過ぎたせいでナイフを装着する時に指先を傷付けてしまったし、アッシュには怒鳴られ、ずっと不機嫌なオーラと嫌味を浴びながら過ごす羽目になった。
    スマホから下がった片翼の鳩、不格好な断面に触れると、グローブの下で指先がピリピリと痛む。
    「…ビリーくん…」
    縋るように呟いてしまった名前に、自分でも呆れた。
    きっと彼は今日も街の人にマジックを披露したり、持ち前の観察眼で異変を察知したりして、立派にパトロールをこなしているだろう。
    一人では気持ちを立て直すこともできず、アッシュに気圧されてパトロールどころか昼食すら喉を通らない自分が情けない。
    欠けてしまったオーナメントは、彼と“ずっと仲良し”でいる資格がないと言われているような気がして、また溜め息が溢れる。
    「どうしたのグレイ。元気ないネ」
    「!!…ビリー、くん…」
    「俺っちがキャンディあげようか?」
    「あ、わわ…!」
    明るいオレンジ色が突然、視界いっぱいに現れた。
    応答する間もなく、差し出された手から次々にキャンディが湧き出てくる。
    どうしてここに居るのかとか、いつから見ていたのかとか、そんなことをぐるぐると考えながらもキャンディを落とさないようこちらも手を伸ばす。
    色とりどりのそれが両手いっぱいに盛られ、ついには抱えきれずに、ころんと一粒転がってしまった。
    「あ…!」
    ビリーくんの瞳の色に似た青いキャンディの包みが、自分が腰掛けていた石段を転がり落ちていく。
    思わずそれを追い掛けるが、両手が塞がっていることもあり体勢が不安定で、一段目を踏み外してしまう。
    「グレイ…!!」
    ああそうだ、今日はこういう日なんだった。
    衝撃を予期して目を閉じる。
    だけど、いつまでたっても体が階段に打ち付けられることはなく、不思議な浮遊感に恐る恐る目を開けた。
    間近で、オレンジ色のゴーグルのレンズ越しに、心配そうな瞳がこちらを見つめている。
    体に巻き付く細い糸と、意外なほどしっかりとしたビリーくんの腕。
    「Wow!危機一髪!俺っちのストリングスが間に合って良かったぁ」
    「う、うん…ごめんなさい……えっと、ありがとう…」
    ノープロブレム!なんて普段通りの明るい声を聞きながら、色んな意味で心臓が煩くて、気付かれないように深呼吸を繰り返す。
    取り零したキャンディを拾い上げ、ビリーくんも隣に腰掛けてきた。
    「あの、ビリーくんはどうしてここに?」
    「アッシュパイセンに午後からパトロール交代しろって言われたんだヨ。辛気臭くてどうとか言ってたケド、何があったの?グレイ」
    「……えっ、と」
    両手いっぱいだったキャンディも気付かないうちに片付けられており、スマホと欠けた鳩のオーナメントだけが残っている。
    ちらりと見たビリーくんのスマホにぶら下がるのは、傷のないきれいな鳩だ。
    鋭い彼が気付いていないはずもないが、こちらから話すのを待っていてくれるのだろう。
    すごく情けない話なんだけど、と前置きをして、今朝からのことを説明する。
    「グレイが寝坊って珍しいよネ。オイラがいたら起こしてあげられたんだけど、今朝はちょーっと別の仕事があって、早くから出掛けてたんだ」
    「そ、そっか…朝からお疲れさま。寝坊は単純に僕が悪いから…気にしないで?」
    一通り話し終える頃には、何故かスマホを持つ手にビリーくんの手が重ねられていた。
    伝わる体温に気恥ずかしさを感じつつ、様子を窺っていると、ぱっと手が離れていく。
    「あ、れ…ビリーくん、僕のスマホ…」
    「あれー?どこに行っちゃったのカナ?」
    何も無くなってしまった手のひらと、眩しい笑顔を交互に見遣る。
    「大切にしてくれて嬉しいけど、グレイの悲しむ顔は見たくないって、鳩さんが言ってるヨ」
    「え…」
    「だからオイラが魔法を掛けてあげたんだ。さぁさぁ、ご注目…It's showtime☆」
    ぽん、と軽い音がして、目の前に白い羽が舞う。
    同時に手の中に再び現れたスマホ、そこには折れたはずの羽がテープで仮止めされた鳩のオーナメントがぶら下がっている。
    「Ta-Da!マジック大成功♪」
    「っ、これ…どうして、いつの間に、」
    「実はここに来る前一度部屋に戻って、その時に欠片を見つけたから拾っておいたんだよネ。完全に修復するのはすぐにできないから、今はそれで我慢してくれる?」
    「…ビリーくん…」
    視界が歪んで、優しい笑顔がぼやけて見える。
    今朝から堪えていたものがついに決壊してしまいそうになるのを、唇を噛んで何とか耐えた。
    「ほらほら、鳩さんがグレイの笑顔が見たいって」
    「うん…っ」
    泣き笑いのようになってしまったが、ビリーくんはもう一方の鳩を揺らしながら嬉しそうに頷いてくれる。
    ああ、どうして君には全部わかってしまうんだろう、本当に魔法が使えるのかな。
    「ねえねえ、俺っちお昼ごはんまだなんだ。良かったら付き合ってくれない?」
    「もちろん…!実は僕、食欲がなくて、さっきまでお昼いらないかなって思ってて…だけど今なら食べられそうかも」
    「ワーイ!グレイと行きたいご飯屋さんがいくつかあるんだよネ~」
    木漏れ日を反射してきらきら輝くオレンジ色を追って歩き出す。
    二人の間で揺れる二羽の白い鳩もどこか嬉しそうに見える。
    胸につかえていたものは跡形もなく、暖かな光に溶かされてしまった。


    Tap to full screen .Repost is prohibited

    related works

    recommended works

    かも🦆

    TRAINING月夜の杞憂(ビリグレ ?)

    夜中に不安になっちゃう🍬。🧁はほぼ寝てます。
    付き合ってない世界線なのでカプ要素は薄いですが、ビリグレの人間が書いております。
    短い、そして8章ネタバレ注意!
    かちかち、という時計の針の音とグレイの静かな寝息が部屋を満たす。
    ビリーは目を瞑りながらそれを聞いていた。
    そして時折、ちらりと時計を見ては小さくため息をついた。
    その時刻は現在3時を指しており、普段ならとっくに夢の中であるため、なかなか眠れない事実にビリーは焦っていた。
    何より、その眠れない原因が分からないのだ。

    (早く寝ないとネ…)

    そう思うも、ただただ時間が過ぎていく一方。
    今日はヒーローとしての仕事は無いものの、グレイとリトルトーキョーへ行こうと約束していた。
    早く寝なければ寝不足で楽しめない。
    ビリーはそれを、友だちとの大切な時間を無駄にしてしまうことを懸念していたのだ。
    ふと、グレイの方へ目を遣ると少し大きめの体を丸めるようにして眠っている。
    その姿が何とも愛おしく、顔を見たくなったビリーはそっと立ち上がり、2人で買ったソファ越しのグレイのスペースへ入って行った。
    自分のために、と綺麗にされたそこにしゃがみこみ、グレイの顔をじっと眺める。
    その表情は普段よりも幾分穏やかで、見ているビリーの心もスっと穏やかになっていくのがわかった。
    そのままグレイを起こさないようにそっと 1394

    mamedaihuku228

    DONEビリグレ小説②
    遠距離恋愛みたいなことしてるビリグレ。
     まだ肌寒さが残る早朝。珍しく薄い霧がエリオスタワーを包み込み、ロビーにいたビリーは少しでも寒さがマシになるよう、黒の手袋越しに両手を摩っては温めるように息を吐いた。ヒーローである事を示す黒を基調とした制服は、もうそろそろ上着を脱いでもいいぐらいの季節だが、今朝の気温で半袖は身体を冷やしてしまうし、かといって昼になれば長袖ではうっすらと汗を掻いてしまう。なんとも複雑な季節である。
    誰もが憧れるヒーローの居住地でもあるのだから、タワーの中ぐらい常に適切な温度を保ってくれればいいのだが、エコだとかなんとか環境とやらで、ある一定の時間はロビーなどの一部の室内機は切られているようだ。前にジャックとジャクリーンが言っていた。
     そんな事をぼんやりと考えながら、受付もいない無機質な空間のロビーで、ビリーは静寂に包まれながらジッと待っていた。
     前に届いたのは二日前。その前は四日前。そのもっと前はいつだったか。指折り数えるのも嫌になってしまった。
    受付の椅子に適当に座って、スマホのアプリ画面をタッチして、ログインボーナスを受け取る。そして日課のミッションをこなし、イベント限定のガチャを引く。もうそれ 8219

    かも🦆

    MAIKING年の差と処女であることを気にしちゃう🧁ちゃんのお話 (ビリグレ♀)

    未完です!!!!(最重要項目)
    まだ別垢で作品あげてたときのやつ見つけたので供養。いつか完成させたい。まだおせっせしてないから年齢制限は付けません。
    「うぅ...」

    少し前に恋人になったビリーが情報屋の仕事で部屋を空けているとき、グレイは部屋を暗くしパソコンと向き合っていた。
    その画面には【年上 彼女 処女】と検索された結果が映し出されていた。

    「やっぱり...めんどくさいよね、はぁ...」

    【年上彼女はめんどくさい、処女だと尚更】
    【変に期待されるから萎える】
    【やっぱ若い子の方が嬉しい】
    そうしたマイナスの言葉が羅列しており、自分で検索をかけたことを少し後悔しそうになった。
    付き合いたては手を繋ぎ、少し経てばハグやキスもした。そこまで来ると、やはりもっと先に進みたいと思うのが当たり前である。
    ただ、グレイはビリーが初めての友達であり恋人であった。
    先のこと、つまりセックスをしたことがなく25歳になっても処女である自分にコンプレックスを抱いていた。
    さらに、相手は6歳も年下の未成年だ。
    年上で処女、グレイはそれらのことを気にしていたのだ。

    「...だめだ、またネガティブグレイって言われちゃう...でもなぁ、はぁ...」
    「そうそう、ポジティブグレイにならなきゃだめだヨ〜!」
    「ふぇ!?」
    「にひひ、ただいまグレイ♡」
    「お 1867