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    あんぶれら☂️

    @grbl6673

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    あんぶれら☂️

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    ビリグレの思い付き走り書き。
    寒い夜に二人が一緒に寝る話。
    子供の頃の思い出捏造あり。
    プラトニック。

    #ビリグレ
    bigotry
    ##ビリグレ

    ひんやりした空気が頬を撫でる。
    外気の寒さとは裏腹に、布団の中はとても暖かい。
    ビリーがグレイの実家で過ごす何度目かの夜、急な冷え込みから、二人は同じベッドで身を寄せ合っていた。
    「ごめんね、まだ冬用の布団を準備できていなくて…ビリーくん、窮屈じゃない?」
    「ウン、大丈夫!あったかいネ」
    グレイとしては、少し潔癖なところがあるというビリーを自分のベッドに招いてしまっていいものか逡巡したが、大切なビリーを凍えさせる訳にもいかない。
    最終的に勇気を出して伝えてみると、意外にもあっさり受け入れられたのだった。
    ビリーの方も、躊躇なく招待を受け入れたことに、自分のことながら少し驚いたものだ。
    眠るとき近くにいる他人なんて、父親以外、不快感や警戒心の対象でしかなかったのに。
    グレイに寄り添って眠るのは心地好さそうだと、素直に思った。
    「グレイ、何か嬉しそうだネ」
    「うん…実は、友達と一緒に寝るのって、小さい頃からの憧れだったんだ。だから、楽しくなってきちゃって」
    「そっか。俺も楽しいヨ」
    いつもよりさらに柔らかいグレイの笑顔を間近で見て、ビリーも自然と笑顔になる。
    ゲームも映画もなく、何を話すわけでもなく、ただ笑ったりお互いの手をつついてみたりするだけなのに、とても楽しい。
    グレイの弟や妹がよく友達を家に泊まらせたがっていた理由が、今ならわかる気がする。
    ふと、ビリーの脚がグレイの脚の上に重なった。
    そのまま、大きなぬいぐるみに抱き付くかのように、ビリーの腕も重なり、グレイの顎下に頭を埋めてくる。
    普段なら驚いて身を引いてしまうところだが、今は不思議とグレイもそれが自然なことに思え、ビリーの背中に手を回した。
    「おやすみ、ビリーくん」
    「おやすみ、グレイ」
    小さい頃に数える程しかないが、父が夜出稼ぎに行かない日にこうして抱き締めてもらって眠ったことがあるのを、ビリーは思い出していた。
    父とはまた違う、ひどく肌に馴染んで安心できる温度に、脱力して身を任せる。
    子供のビリーが子供のグレイとお泊まりをして、絡み合って眠るような、折角なら二人で一緒にそんな夢が見たいと思った。

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