記憶喪失2翌日
「ん...」晴明が目を覚ますと時刻は17時頃だった
流石に寝すぎた
学園では生徒が下校した頃だ
ぼーっとしていると自分が被っている毛布がモゾモゾと動く
「(なんだろう)」とめくると腹のあたりに白いモチモチに葉っぱが生えた物体がいた
物体は寝ていた身体を起こし目を擦る
晴明を認識すると「あせーめーくん起きたんだね」晴明の顔に飛びつく
「うわああああ」見たことない謎の物体に飛びつかれて晴明は顔を青くして引き剥がして投げる
華麗に着地した物体は「もう失礼な反応だね」プリプリと怒る
「な、なななななな(なんで喋ってんの)」
晴明は物体を指さし言語にならない言葉を発する
「ボクはマシュマロいつもせーめーくんと一緒にいるマンドラゴラだよ」
「マンドラゴラなのにマシュマロなんだ」謎のネーミングにツッコム晴明ははてと気になることがある
「せーめーって」
「せーめーくんはせーめーくんだよ」晴明を指す
「僕の名前は晴明(はるあき)じゃないの」
「でもみんなせーめーくんって呼んでるよ」
「(なるほど所謂あだ名ってやつだな)」と1人納得する晴明
「せーめーくんマシュマロとお話しよ」
何故だかマシュマロといると心が落ち着くような気がする晴明はマシュマロを抱いて今日あったことをきく
「__それでね、その生徒が感情と表情が合わなくなる薬をばらまいちゃってね」
「あははそれで怒った顔で何故か大笑いしてたんだ」
話に夢中になっているとコンコンと扉がなる
「はーい」とマシュマロを抱いて立ち上がる
扉を開くとそこには秦中と神酒が立っていた
「おう、酒持ってきたぞ」秦中が酒が入ったレジ袋を掲げる
部屋に入った三人とマシュマロはテーブルに大量の酒を広げる
プシュッと缶を開ける秦中を見習い晴明も缶を開けて中の匂いを嗅ぐ
「なんや、晴明君お酒飲んどったことも忘れとんのかいな」
「僕これ飲んだことあるのなんか変な匂いだけど」
「まぁいいから飲んでみろよ」
晴明は意を決して酒を口にいれる
「なんか...美味しくも不味くもないね」
「お前は酒より食いもんだったもんな」
「そうなんだ、ていうか神酒くんはお酒飲まないの」酒を遠ざけられジュースを握らされている神酒を疑問に思う
「ホントはボクもお酒飲みたいんやけどなぁ」
「こいつに酒飲ませたらこの辺一帯半壊するぞ」
「え」何故と晴明は神酒をみる
「いややわぁ、そないに見つめられると照れるわァ」神酒は口元に手をあてはんなり笑う
「こいつ学生の時になぁ__」
秦中の神酒酒乱エピソードから始まり学園の出来事を話したりしていると時刻は0時前をさしていた
「じゃあ俺らは帰るな」
「また明日な晴明君」神酒がマシュマロを抱く
「うん」
手を振り二人とマシュマロを見送った晴明は扉を閉め寝る準備をして布団に潜る
「(親友ってこういうものなのか...)」
その日夕方まで寝ていたせいで目が冴えている晴明は今日を振り返った
目を瞑っても眠れないので起きてテレビをつける
これといった番組はなくただぼーっと眺める
「(さっきまで楽しかったのに)」
膝を抱え寂しさに縮こまり早く朝が来るのを待ち望む
「前の僕はどうして記憶が無くなったのかな」