アカシアカサレ ピアス側 そいつ──上杉秀彦は、友達が多く、いつも周りには絶えず誰かがいた。
人と話すことが好きなのだろう。クラスの中に上杉が話しかけたことがない生徒なんていないんじゃないかというほど、上杉は日頃からいろんな人に話しかけ、笑わせていた。
そのおかげで俺も今までに何度かは上杉と話す機会はあった。一時凌ぎのような、中身のない冗談。つまらないことにも大げさすぎる反応。何の面白みもない内容だが、上杉がでひゃひゃと声をあげて笑うとなんだかこちらまでつられて口角が上がってしまう。
それでみんな上杉にどこか心を許している雰囲気があるし、それが上杉の魅力なのだろう。
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「知り合いから貰ったんだけど、これ、そんなに興味ないのよねえ」
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