若きVixの勇者、心に刻む決意 一つの依頼を終えたヴィクトは、とある大きな街でリュミへのお土産を探していた。
「報酬金も多くてビックリしたけど、何を買っていこうかな?大きな街だし、色々ありそうだな。」
市場を覗いたり、気になるお店に入ってはリュミが喜びそうな物を見ていた。ふと細い路地に入りスタスタと歩く。その時ヴィクトは建物の壁に貼られている手配書に目がいった。
「へぇ、手配書だ。金額もそれなりにあるということは凶悪な犯罪者か。」
貼られている手配書を一枚一枚見ながら写真や懸けられている金額を確認していた。中には1000万G以上の強者もいてヴィクトは驚く。その中で一際目立つ懸賞金の手配書に気付いた。
「なんだこの金額えっと、一、十、百、千、万、十万……、なっ、12,603,000,000G百億越えの賞金首…。一体誰な……ユ…ーゲン?」
ヴィクトが驚いた百億越えの手配書。その写真と名前を見て更に驚く。
「ユーゲン…僕が先代から聞いた先々代を殺した者の名だ……。白髪に立派な角を生やしていたという話も写真の通りだ…。僕は初めて写真を見たけど強者の雰囲気…いや恐ろしい何かを感じる。…先々代の仇をいつか討つために戦う日がくる…。……その日が来ても僕は必ず勝利しなきゃ。」
恐ろしい雰囲気を放つユーゲンの写真を鋭い眼差しで見つめながらその場を後にした。ヴィクトに新たな決心が生まれた。
『先々代の仇を討つ』
若きVixの勇者は、いつかくるであろう日を心に刻んだ。
リュミへのお土産を買い、家路を急ぐ。