星空に捧ぐ音色旅の途中、海の上で停泊中のプレアデス号。穏やかな波に揺られながら、ドランとリィミンは甲板のマストの柱に凭れ座りながら綺麗な夜空を見ていた。
「今日も綺麗な星空ね。ほら、天の川がよく見える。」
「わはは、本当によく見えるよ。……こんな時には太鼓叩きたくなるよ。」
ドランは側に置いていた太鼓を持ち、腰に差してたバチを一本取り出した。そして綺麗な音色を奏でていく。その音色にリィミンは目を瞑り心地よさそうな顔をして聞き入っていた。
「この音色、母ちゃんに届いているかな…。」
ドランは太鼓を叩きながらふと呟く。
「そういえばドランのお母さん、ハリケーンの時にドランを守ろうとして亡くなっちゃって言ってたよね?」
「うん。強いハリケーンで家が倒れそうになって、母ちゃんが守ってくれてたんだ。」
「優しいお母さんだったのね。」
「そうさ父ちゃんが亡くなった後も母ちゃんは僕と遊んでくれたり、美味いご飯やお菓子を作ってくれてたんだ。僕が今演奏した音色も気に入って喜んでた。」
「ふふ、なんだか優しい音色だなと思って聞き入ってけどドランのお母さんも気に入っていたのね。」
「この音色が届いていたら、僕もだしリィのことも見てる。きっと冒険の無事を祈っているかもね」
「えへへ、私達の事を…なんだか照れるわね。」
リィミンは照れながらもドランに寄りかかる。ドランはそっとリィミンを抱き寄せ、無邪気な笑顔を見せた。暫くその状態で二人は星空を見続けた。