Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    まっぴーの残念創作

    @mappitsuki

    久しぶりの創作のリハビリ代わりにいろいろと。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 12

    最近はまったBLドラマについてではありますが、ツイートでは我慢したえっちな感想のみ書いてみました。結構な数のBLドラマを見たとは思いますが、えっちな感想のみなので紹介する作品は限られております。

    Age verification
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    まっぴーの残念創作

    REHABILI【楽の日記 7日目】

    いよいよ7日目。本編前のリハビリ、楽ちゃんの日記もラストです。
    幼なじみ颯ちゃんとの不穏な別れですが、ふたりがこの後どうなるか本編でじっくり書いていきたいと思ってます。

    お付き合いいただきありがとうございました😊
    よかったらいいねとか、気が向いたら感想などくれても…!いいんですよ…!
    楽の日記 7日目 睿様の夢が現実のように付き纏う一日だった。あれはただの夢だったのか。あるいは本当にあったことなのか。心配して声をかけてくる颯にも、たぶんまともに返事ができなかったかもしれない。うわの空だった。まだ何日かしか経っていないのに僕は東土が恋しくなってしまったのかな。子供みたいだ。
     颯と二人ひたすら駆け、時々休憩のために馬を降りる。辺りを見渡せる小高い丘の上。小川のせせらぎの心地良い森林。颯は毎回眺めのいい場所を休む所に選んだ。野宿も二日続いたけれど、必要なものはたいてい用意されている。小腹が空けば菓子を、汗をかけば香を焚き込めた手拭いを、夜になれば干し肉と干し果物を、寝る前は風よけの外套を。とにかく颯は僕の世話を焼いた。僕はそんなに頼りないんだろうか。でもそのいつも通りの世話焼きが心地良くて、思えば僕は小さい頃に出会ってからずっと颯に甘えっぱなしだ。もしかしたら年寄りになって文使を引退しても颯は僕の世話を焼き続けるかもしれない。そんなことを考えながらの道中はとにかく楽しかったけれど、それも今日で終わる。今日はいよいよ西火に入る。
    2895

    まっぴーの残念創作

    REHABILI【音の覚書】

    今回は楽の先輩、音兄さんのお話です。
    本編にも登場させているのでキャラ作りのために書きました。
    自分の作品のキャラは全員愛していますが、彼は特にお気に入りのキャラなのでもっと理解してあげたいなと思って。
    楽ちゃんや颯ちゃんよりだいぶ大人なので思考も多少大人…なはず。
    お暇つぶしになりますように。
    音の覚書このところ睿様がどうにもよそよそしく、何か隠し事でもあるのかと不安になることがある。

     しかしながら。世話役が下の者に全てを話す義務も義理もない。本来こちらがいちいち気にかける必要もないことだ。だが、そうとわかってはいても不安になるのは側で仕えているからこそのものだと直感が告げる。尋ねるべきか。気付かぬふりを続けるべきか。その僅かな戸惑いさえ睿様に気付かれていようものだが、お互いあえて普段通りを装う。
     そんな他人行儀を平静で覆い隠したままの日々を過ごすのにももう慣れたものだ。

     その日は楽が西火へと旅立つ日であった。早朝から用意しておいた饅頭を紙で包み、小さかった頃の楽を思い出す。文使の弟子入りは5歳からだが、おそらく楽は3歳かそこらだったのではないか。先輩がどこからともなく連れてきた当時の楽は体も小さかったが言葉もまだたどたどしく、とにかく手がかかる子ではあった。しかし愛らしい顔立ちが幸いしたのか兄姉弟子たちがこぞって世話を焼き、常に誰かしらに手を引かれて過ごしていたものだ。ここへ来る前のことを思い出すのか夜中にわんわんと泣き出すこともあった。そんな時は夜番の先輩に抱かれてあやされていたり、時に睿様に泣き疲れるまで背負われていたりもした。そんな楽を遠目で眺めながら、私も背負う時がきたら子守唄でも歌って庭を歩いてやろうと思っていた。だがそんな日はこないまま楽はどんどん成長していった。他の子供たちと同じように。時は待ってはくれないものだ。
    4353

    まっぴーの残念創作

    REHABILI【楽の日記 6日目/颯の闇】

    楽の日記というタイトルではありますが、今回は楽ちゃんの幼なじみで同期で兄弟弟子でもある颯ちゃんの日記です。楽が思う颯と颯が思う楽のすれ違いが書いてみたかったので。

    本編に直結している内容なので、ひとりで勝手に切なくなってしまいました。今回も暇つぶしになれば。
    楽の日記 6日目/颯の闇 私には自信があった。

     馬術も武術も読み書きも全てにおいて同期たちより卒なくこなせ何でも一番である自信。睿様や先輩方もそのように認めて下さるし、兄弟姉妹たちからは羨望の眼差しを向けられる。いつからなのか。その心地よさに慣れてしまっていたといえば否定できない。だが当然だと思った。事実私は優秀だ。否定できる者がいるか?

     しかし物心ついた頃から私の隣にいた楽は全くの正反対だった。体も小さくて自分たちより少し幼く見えた楽は何をやっても上手くできない。いつも私の後にぴったりとくっついて離れず、何をやるにも見よう見まねで私に食いついてきた。そして人よりずっと遅れて出来た時覚えた時、彼はまず私に報告をしてきたのだ。満面の笑みで。最初は鬱陶しかった。私まで不出来に見えるのではと思った。しかしそれが私の引き立て役になると気付いた時、初めて兄弟弟子としての愛情が沸いた。だからそう割り切ってからは楽の隣はとても居心地が良かった。優越感からだとわかっている。私はなんと狡い男なんだろう。
    3253