あの夏のひまわりまた今年も一人、部屋で暑さと空腹に耐える夏がくると思っていた。
母親の気まぐれには慣れていた。
今年は置いていくのではなく、他所へやる事を選んだらしい。
僕は田舎の親戚の家に置いて行かれた。
親戚はあまり歓迎しなかった。それにも慣れていた。気にしなかった。
毎日三食食べれるだけまだ良い方だ。
昼食を食べ終えた僕への冷たい視線に耐えられず、今日も外へ出かける。
「ご馳走様でした。外へ遊びに行ってきます。」
「そう、暗くなる前に戻ってきなさいよ」
警察の世話になるのはごめんだわ。そんな言葉を聞き流して返事をする。
「はい。いってきます。」
外は暑くて体が弱い僕にはしんどかったが、たくさんの緑に囲まれた田舎は都会より居心地が良かった。
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