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    かきくけこ

    @mame_okaki_siba

    月鯉書きます

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    POIPOI 17

    かきくけこ

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    年始にポイピク、pixivにあげた「voltage」月の隣人モブ男さん視点のお話です。月と隣人さんの出会いから月に憧れを抱く様になるエピソード、そして鯉を見かけ、その日隣から声が聞こえて・・・(←バレタイン&褌の日にあげた話のモブ男さん視点になります)と話の前半部分まで書いたのでここに投げておきます。

    #月鯉
    Tsukishima/Koito

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    DOODLE月鯉 書きたいとこだけ
    7/11 加筆
     涙も美しいのだな、と眼前でしゃくり上げている男を見つめる。彼の長い睫毛を濡らすそれは朝露のようで、きらきら輝く様は彼の目を一層魅力的にするアクセサリのようだった。大きな雫となり輪郭を滑り落ちていくので溢れてしまっては勿体無いと拭い取ってやる。それでも流れ続ける涙の粒はやがて一筋の川の様になっていった。拭き取るだけでは追いつかなくなって、軽く舐め取る舌に広がる塩味は、痺れと共に確かな甘露ものせて味覚を刺激した。根源ごと吸い取ってしまおうか、と眼球に舌を這わせようとしたところで鯉登が目を見開いたので大きな瞳が露わになる。涙で濡れたそれは、かつて故郷の地で見た海。或いはかの人を、またはあの人を呑み込んでいった溟渤のようだった。ゆらゆらと強い輝きを放ち熱を持ちつつこちらを見つめている。なかないでください。と、言うとお前もだ、月島と言いべろんと瞼ごと舐められた。少し瞼がひんやりとして、また熱い流れができてようやく自分も涙を流していることに気がつく。ツン、と脳をつんざくような刺激が電流の様に鼻奥を駆け上がる。枯れたと思っていたのに。そう思っていたからこそ言われるまで気が付かなかったのだ。大切な物を、尊い物を諦めて進む道の途中に置いてきたからこそ染みついた鈍感さだった。喉が締め付けられる様に収縮するのが酷く苦しい。堪えきれずにえずくと泣くなぁと自分よりも大きな声でわんわん泣いている鯉登につよく、強く抱きしめられる。
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