旅骨の世界における魔法とは基本的に、どの世界にも魔素というのが存在し、それによって魔法を扱うことができる。
だが、一体ここは知識を切って、そもそも魔法とはどういうもんや?というのを解説しよう。
1.魔法について
旅骨の世界における魔法とは、とある媒体を消費または操作をすること、何かしらの効果を発動させるための方法を指す。
魔法を使うには、言葉で呪文を読み上げる詠唱式、何かしらの物に対し呪文を書く書物式、媒体を杖に貯めて特定の動きをする動作式などといった行動をする必要がある。
魔法の中でも属性といったものが存在し、炎や氷、光や闇といったものである。聞き覚えがあるだろうか。その中でももう一つ特殊なものが存在し、それが「虚」である。
これらについては後々説明していこう。
2.魔法の種類
さて、ここでは魔法の種類について説明していく。
魔法というのは旅骨の世界では三種類存在する。それぞれ紹介していこう。
①魔力系
この世界においてもっとも一般的とされている魔法。
魔素と呼ばれる物質や空気中に存在するものを操り、その魔素を変化させたりすることによって発動する。
これを扱える存在は魔族と呼ばれる人外の生物か、ごくわずかの人間のみである。
普通の人間は魔素を扱うのに不向きであるため、使おうとすると自分の魔素を消耗してたちまち塵になって消えてしまう。
魔素はどの物体にもあるが、この世界では魔素が生物から消えると塵となって消えてしまうことがほとんどである。
しかし、知識をある程度蓄えれば大丈夫なので、一番簡単な部類でもある。
②血液系
あまり知られていない、血液を消耗して発動する魔法。
基本的に自分の血液を消耗したり詠唱が長かったりとデメリットが大きい分、そのコスパはとても高く、魔力系では使えない高度な魔法などが扱える。特に、生物に干渉する魔法が豊富である。
これを扱える存在は魔族の吸血鬼族のみである。
そもそも呪文の言語などといったものが違っていたりするため、これによる事故などはあまり発生しない。
しかし、ごくわずかの国ではそれらを研究し、戦争の兵器に使用しようと企てているとも噂されている...
ちなみに、他人の血液を消耗する場合は威力があまり高くはならない。
③物質系、概念系
これに関しては二つの呼び名が存在する。
人間にとってはこちらが有名で、鉄や水素といった元素を操って使う魔法。
魔力系ほど威力は出ないものの、呪文が短く連発が容易であるが、コスパが悪い上に扱える魔法は魔素系ほどない。工場などでよく使われているため、科学と似ている。
概念系に関しても同様であるが、こちらは炎や氷、水といった物質を操るものであり、能力と言った方が分かりやすいだろうか。
これらを扱える存在は人間だけであるが、皆扱えるものや数がバラバラであり、1個しか使えないという者もいれば5個の物質を操れるという者もいる。
3.属性
魔法の種類を先ほど紹介したが、そこにさらに属性というのも関わってくる。
炎、水、氷、雷、地、無...さらに加え、光と闇。そして、それらを全てひれ伏す「虚」である。
これらは物質系>魔力系>血液系の順で得意な属性の量が多く、逆の順で得意度が高くなる傾向がある。
実際のところ、この属性というのはかなりばらつきが存在し、簡単に一つにまとめることができない。あくまでこうして分けているのは概念系によって分けられる基本の属性であり、本来は数十を超える種類があると言われている。
さて、ここで特殊な属性である「虚」について説明しよう。
「虚」というのは本来は存在しない属性であるものの、他の属性をぶつけても効果がないことからそう呼ばれている存在で、通称「バグ」とも呼ばれていたりする。
これは一点に対し途轍もない威力をぶつけた場合に対し発生するもので、そこだけ黒の穴がぽっかりと空いたままになる。
オランダの涙という例えが正しく、何かしらの衝撃を与えた場合それが爆発してあたりに大惨事を招く地雷のようなものでもある。最低でも東京ドームが吹っ飛ぶといえばよいだろう。
血液系によくある属性とも呼ばれており、相手の魔法に対し超高威力の魔法をぶつけて消し飛ばすことが可能であり、なおかつ見た目が真っ黒であることから「虚」と呼ばれている。
4.魔法の干渉
実は、魔法同士がぶつかり合うということはこの世界ではよくあることだ。
なので、属性同士のぶつかり合いではなく、ここでは魔法の種類の相互関係について語っていこう。
基本的に血液系>魔素系>物質系の順で強いのだが、実は純粋な魔法同士をぶつけた場合この順というのは崩壊し、全てイコールで結ばれてしまう。
強いというのはあくまでそれらが解放された際の力が大きいというだけであり、変化する前にぶつけた場合は大して強いわけではないのだ。
このようなこともあり、吸血鬼族が一方的にねじ伏せることができるというわけではなく、むしろ連発出来る物質系の方が強いとされている。
また、魔法の中には「自分の利用する媒体へと変換する」といったものが存在するが、それが同じ魔法の種類でない場合極めて変換率が低くなる、といったことも書いておこう。
5.それ以外の豆知識
属性に得意不得意はあるものの、これはどの魔法の種類でも練習すれば威力を高められる。
魔法を全く扱うことのできない存在もいる。この場合は失敗作などと蔑まれることが非常に多いが、その代わりとして身体能力がとても高い。身体能力と魔法の適性は若干反比例の関係にあるとも言われている。
魔法を使う時は呪文を素早くミスなく精密に行うことで威力が高められる。
回数をこなしていくと魔法本体の威力が高くなる(熟練度の向上)ため、省略型呪文、無呪文へと変化していく。
呪文は誰かが生み出したものである。それさえ間違えずしっかりと行うことが出来れば、基本的に魔法の誤爆による粉塵化は発生しない。ただし、少しでも間違えると死ぬため、基本的に使おうとしてはならないとされている。